先日からドルが強くなり、しばらく上昇トレンドが続くかと思って、無料配布中の自動売買ツール(EA)を使っている方には、こんなラインを流しました。
こんにちは。ダラダラと円安に向かっています。
今長い上髭を形成していますので、上値は重たいと見られます。
まだまだ、(資金)に余裕はあると思いますが、含み損が気になる場合は、次のポジをとったあたりで、ナンピン幅を大きく広げてみてください。
広げた分、利確は遅くなりますが、安全が大切ですから。
これって、ナンピンマーチンゲール系のEAを使っている人からすれば、反則技じゃないの!っていうくらい便利で、安全なんです。

わたしにも分かるように説明してよ!
ナンピンマーチンゲールのリスクを抑える無料EAの仕組み
ここでは、ナンピン幅を広げるどのくらいリスクを抑えることができるか、考えます。
1ロットでトレードを開始し20pipsごとにナンピンをした場合
話を分かりやすくするために、XMの1ロットでトレードをし、ナンピンマーチンゲールを20pips単位(ロット倍数2倍)で発動したとしましょう。
(実際にはこんな設定をする人いないと思いますが…)
次の様な相場では、このようにロットがどんどん増えていきます。
この時のリスクを計算してみましょう。
です。
上のチャートの場合、上の白ラインから下の白ラインまでが160pipsです。
- 一番上の1ロットで入ったポジションは、-160pips
- 二番目に2ロットで入ったポジションは、-140pips
- 三番目に4ロットで入ったポジションは、-120pips
ロット数 | 損失pips | 含み損 |
1 | 160 | 160,000円 |
2 | 140 | 280,000円 |
4 | 120 | 480,000円 |
8 | 100 | 800,000円 |
16 | 80 | 1,280,000円 |
32 | 60 | 1,920,000円 |
64 | 40 | 2,560,000円 |
128 | 20 | 2,560,000円 |
合計 | 10,040,000円 |
残念ながら、この時の含み損は1000万円を超えてしまいます。
1ロットでトレードを開始し40pipsごとにナンピンをした場合
では、このリスクを抑えるためにナンピン幅を先ほどの2倍(40pips)に変更してみましょう。
当然ポジション数は先ほどよりグッと減り、このようになります。
実際にリスクを計算してみましょう。
ロット数 | 損失pips | 含み損 |
1 | 160 | 160,000円 |
2 | 120 | 240,000円 |
4 | 80 | 320,000円 |
8 | 40 | 320,000円 |
合計 | 1,040,000円 |
この時の含み損は、約100万円。
ここまでのことをまとめておくと…
ナンピン幅を広くすることでリスクはかなり大きく削減することができます!
1000万円の含み損と100万円の含み損というくらいの違いが生まれる。
じゃあ、とにかくナンピン幅を広げればいいのではないか?
この様な結果になると、とにかくナンピン幅を広げればいいじゃないか!ということになりますが、幅を広げれば広げるほど利確しにくくなってしまいます。
次の様なチャートで説明します。
1ロットでトレードをスタートして、20pips毎にナンピンをしていきます。
先ほどと同じように、含み損を計算してみると…
ロット数 | pips | 含み益 |
1 | -80 | -80,000円 |
2 | -60 | -120,000円 |
4 | -40 | -160,000円 |
8 | -20 | -160,000円 |
16 | 0 | 0円 |
合計 | -520,000円 |
一旦は、52万円の含み損を抱えることになりますが、相場は上昇していっています。
今度は、16ロットでエントリーしたポジションが含み益となっていきます。
画像の+40pipsのところまで戻した場合の損益を見てみましょう。
ロット数 | 獲得pips | 含み益 |
1 | -40 | -40,000円 |
2 | -20 | -40,000円 |
4 | 0 | 0円 |
8 | 20 | +160,000円 |
16 | 40 | +640,000円 |
合計 | +720,000円 |
今度は、ナンピン幅を2倍の40pipsにした場合についてみていきましょう。
一旦、下落して含み損を抱えますが、4ロットのポジションは次第に含み益を膨らましていきます。
先ほどと同じように、この時の損益を見てみましょう。
ロット数 | 獲得pips | 含み益 |
1 | -40 | -40,000円 |
2 | 0 | 0円 |
4 | +40 | +160,000円 |
合計 | +120,000円 |
利益が小さくなっていることが分かります。
FX自動売買トレードでも必要に応じて調整ができることは重要!
冒頭で紹介したようなラインを流したのは、ナンピン幅を少し調整することでリスクを大きく抑えることができるためです。
ですから、相場にリスクオン・リスクオフという考え方があるように、自動売買ツールにもちょっとした、調整ができるようにしておくことは必要なことだと思っています。
例えば、ナンピン幅を20pipsに設定していたけれども、トランプさんが過激な発言をしたから心配…という時には、ポジションをもっていてもナンピン幅を広げたらいいのです。
上のチャートの様に次のポジからナンピン幅が広がるために、リスクを随分軽減させることができます。
ツールを配布の際には、バックテストの結果を考慮しながら、割と安全なパラメーターをお渡ししていますが、含み損が心配で、仕事に集中できない…というのも大きなリスクだと考えています。
ですから、こうしたちょっとした調整が誰でもできるという部分を残すことは、とても大切なことだと思っています。
投資で資金を増やしていきたい…という人はたくさんいらっしゃいますが、絶対に忘れてはいけないのは、資金を減らさないという視点です。
ついつい、利益に目が行きますが、資金があってこそ得られる利益ですから、「守る」ことを第一にして欲しいと思います。
まとめ
このブログ(PTR)で配布している自動売買ツールの特徴とリスクについて書きました。
- 状況によってナンピン幅を広げることで、リスクは大きく軽減させることができる
- ナンピン幅を広げると利確に時間がかかるけれども、資金を守ることの方が重要
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