記憶力の低下の原因は? 記憶力を高めるための2つのポイント!

こんにちは。PTRのしぶやんです。

もともと教師をしていたためでしょうか。

「勉強を教えて欲しい」という小学生〜高校生がいるので、今は20人程度の子ども達に勉強を教えています。

すると、中・高生がテスト前になると決まってこんなことを言い出します。

けんちゃん
けんちゃん

社会のテストって覚えることばかりやん。

俺、暗記するのって超苦手やし、もう無理やわ。

しぶやん
しぶやん

でもさぁ、フォートナイト(TVゲーム)のアイテムの話はバッチリ覚えていたやん。ってことは暗記が苦手ってことはないと思うで。

そこで、今日は、

  • なかなか暗記ができない原因はなにか?
  • 暗記力を高めるための具体的な対策

を紹介します。

暗記力を高めるというと難しそうに聞こえますが、そんなに複雑な話ではありません。

  • 勉強が苦手な子どももフォートナイトのアイテムやポケモンのキャラクター情報は詳細に覚えている。
  • 大人になってもウルトラマンが戦えるリミットは3分ということは覚えている。

ここにしっかりと記憶するヒントがあるにも関わらず、勉強をするとなると多くの人が、記憶するための重要なポイントをごっそり落としてしまうために、「記憶しにくい」ということが起きているのです。

これらについて詳しく解説します。

 

目次

記憶力の低下の原因は?【好きなものが覚えられるのなら大丈夫】

僕はゲームをしないのでさっぱり覚えられません

僕はゲームをしないのでさっぱり覚えられません

先日も相談を受けた方の話によると、学校のテストは散々な結果だったそうです。

主婦
主婦

うちの子、何か記憶に問題があるんじゃないかなぁと思うんです。

このままでは、高校進学も厳しいですから、なんとかしてください。

お母さんはこんなことを言われていましたが、本人と話をしてみると…今、大人気のゲーム・フォートナイトの話は熱く語ってくれるのです。

ということは、記憶力に問題があるって話ではなくて、素晴らしい脳をもっているということになります。

けれど、ゲームのことは覚えられるのに肝心なことは覚えられないというのは、いくつかの原因があります

 

とにかく脳が疲労してしまっている

激しい運動をやり続けると、当然体は疲労します。

もっと走りたいけれども走れない…という状況になってしまいます。

脳だって同じです。

たくさんの情報を処理し、体の様々な場所に指令を出し続けていると疲労してきます。

眠たい時に何も考えられないのと同じように、脳が疲労していると十分に機能させることができなくなります

 

では、脳が疲労してしまう原因は?

一概にこれだと1つに限定することは難しいですが、一般的に次のことが疲労の原因だと言われています。

  • 睡眠不足
  • 仕事・勉強などに妥協を許さない
  • スマホ・PCの長時間利用(ゲーム・SNSの利用も含める)
OLちゃん
OLちゃん

スマホやPCの利用って、仕事で使うのは嫌だけど、好きなYouTubeなんかを見るのは最高に楽しいから、ストレス発散になるからいいんじゃない?

好きなことをするためにスマホやPCを利用するのは楽しいことですが、いつでも・どこでも「楽しいものが取り出せる」という環境は、人類史上で手に入れたことがありません

現在も、スマホやPCに関する様々な実験・調査が行われていますが、全てが未知の世界でもあるということは忘れてはいけません。

 

一つ、時代の変化を感じる例を挙げてみましょう。

明日は修学旅行で楽しみ!楽しみ過ぎてあまり眠れなかった!

と言う子ども達にもたくさん出会ってきました。

ところが、これほど嬉しく、楽しいことがスマホやPCを使えば簡単に手に入る時代になったのです。

つまり、いつでも簡単に脳は興奮状態になれるという環境にいるために、脳が疲労しやすい状況にあるということです。

 

自然の中で感じる喜びと画面越しに感じる喜びは質がことなる

ミシガン大学の研究によると次のような事が言えるそうです。

自然が感じられる環境で毎日20〜30分間過ごすと、ストレスは大きく軽減される。

 

さらにデンマークで行われた調査では、次のことが言われています。

屋外で自然とふれ合う時間が長かった人ほど、大人になってからの幸福度や健康度が高い
OLちゃん
OLちゃん

じゃあ、4Kの大画面テレビで森の映像を眺めていたら、ストレスは大きく軽減されるのかなぁ?

実は、OLちゃんの疑問に関する実験、調査はいつくか行われていますが、とにかく「映像を映し出すためのライト」は神経を刺激するものになるということは、確かなようです。

ということは、

僕たちは、強い刺激を受けているために脳も疲労しやすい状況にあると言えます。

 

全てがスマートな社会と脳の仕組みは基本的に構造が異なる

欲しい情報が簡単に取り出せるスマートな社会に対して、脳はスマートではありません。

「あれやんか!あれ!」

と言う様なことが時々あるように、脳から情報を取り出すのに苦労することがあります。

つまり、脳の中にたくさんの情報が入っているけれども、上手に引っ張り出すことができないときに、この様なことが起きます。

PCやスマホを用いた場合、とにかく入力された情報は容易に引っ張り出すことができるのですが、脳の場合は、情報を引っ張り出すのにコツが必要だということです。

「記憶をする」と言えば、とにかく脳の中に情報を入れることというイメージがありますが、実は情報を入れることは簡単なのです。

難しいのは、情報を引っ張り出すことであって、引っ張り出す練習さえすれば、一般に「暗記は苦手」という問題はかなり克服することができます。

では、具体的にどうすればいいのか?

さらに詳しく紹介します。

 

記憶力を高めるためにできること【余計なことこそが重要】

あなたも、授業の大事な部分はさっぱり覚えていないけれども、先生の言ったあまりにもくだらないダジャレは覚えている…なんていう経験があるはずです。

つまり、人は覚えようと思ったことだけを上手に覚えるなんて器用なことはできません。

なんでも、ガンガン記憶してしまうのです。

ところが、覚えられないということがおきるのは、一旦、脳に入った情報を自分が意識できるレベルまで引っ張り出せないということが起きているだけなのです。

つまり、

引っ張り出すことが上手になればいい

ということです。

 

奥深く入ってしまった記憶を引っ張り出すフックをたくさんつけること

では、どうすれば上手に引っ張り出すことができるようになるのか?

それは、引っ張り出しやすいようにするためのフックをたくさん設けることです。

例えば、

奈良の東大寺に大仏がある

ということを覚えないといけない時に、次のようなことを丸ごと頭に入れてしまいます。

ほんの一部ですが、こうして余分なフックをつけておきます。

  • 鹿せんべいと言えば、奈良県。
  • 奈良公園の周りにはうんこが多い。
  • 大仏の穴をくぐると賢くなるという訳の分からない伝説がある。
  • 東大寺や大仏を作ったら平和になるってみんなが信じたらしい。現代ではあり得ない。

そうすると、引っ張り出す機会が日常的にも増えていきます。

おやつで「せんべい」を食べる時、「うんこ」をする時…この時にフッと「大仏」の事を思い出せば、よく使う記憶に分類されるわけです。

もちろん、一度だけこう考えても「よく使う記憶」には分類されませんが、何度か行えば、情報はよく使う記憶に分類されます

今、ここでは、奈良・東大寺・大仏という言葉に余計なものを付け足してみたのですが、もし余計なものがなければ、情報を引っ張り出す機会は激減してしまうことは十分に分かるのではないでしょうか。

 

何度も使うものは、取り出しやすいところにしまうもの

あなたも毎日の様に日本語を話しているはずです。

「日本語ってどうやって話したらよかった?」なんて考えることさえせずに、会話や読書を楽しんでいるはずです。

ところが、英語はどうでしょうか。

特別、英語を話す機会に恵まれない人は、「英語ってどうやって話したらよかった?」なんてなるのです。

つまり、テストなどのために記憶するのであれば、「何度も使う情報だよ」って脳に教えてあげる必要があるのです。

これをどの様にするのか、ある程度計画性をもつことでガンガン記憶できる(正確にはアウトプットできる)ようになります。

より詳しい話は、「受験は要領」を読めばよく分かるはずです。

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フォートナイトのアイテムやポケモンのキャラを覚えている子どもは、毎日、こうしたものに触れているために、引っ張り出しやすい位置に保管されているだけなのです。

 

記憶が苦手という人ほど難しい記憶の仕方をしている

すでにあなたは「記憶すること」で大切なものは何か十分に分かったと思います。

ところが、記憶が苦手という人ほど、覚える量を減らそうとするものです。

先ほどの例で言うと

奈良・東大寺・大仏

だけを覚えようとしてしまうのです。

覚えるのが苦手だから覚える量を減らす

ますます覚えられない
(アプトプットするきっかけが激減する)

という悪循環にはまってしまいます。

現在、高校生の地理の学習も見ていますが、僕が地理の学習をする始める前に必ずやるべきことの一つとして「旅行代理店に行ってパンフレットを全部もらう」ということも課題にしています。

それを見ながら、「ここのホテルは泊まってみたいよなぁ」なんてバカな話もしますが、そうする理由は、余計なものを付け足すためです。

一見、遊んでいるようにしか見えませんが、どの子どもも見違えるほどの結果を出してくれています。

 

まとめ

「記憶することが苦手」という声や「記憶力に問題がある」という声を聞いたこと機に、記憶に関することを書いてみました。

  • 記憶ができないのではなく、記憶を引っ張り出すことができない。
  • 記憶を引っ張り出しやすいようにするための材料(関連付け)を多くする習慣をつけよう。つまり、覚える量を増やすこと!
  • 記憶したものは、何度も引っ張り出す練習をするべし。

大人の人が、ウルトラマンが戦える時間は3分!と覚えているのは、あの定番のストーリーの話に山ほどふれてきたためです。

ヒーローが悪と戦う時に、ピンチを必ず迎えます。

そんな時に、チラッとウルトラマンのことを思い出したりするので、ウルトラマンの3分のタイマーは忘れないものへと変わっていくのです。

 

こんな偉そうなことを言いながらも、先日は友達の家に持参しようと思って準備していたものを見事に忘れて出かけてしまいました。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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