なぜ勉強をするのか?教師を離れたから見えたものとオススメ本

大人になると、なんとなく勉強の大切さが分かるものの…

けんちゃん
けんちゃん

なぁなぁ

何で勉強ってしないといけないの?

と質問されると困ってしまいます。

子育てをしているあなたならどう答えるでしょう?

少し前なら、大学に行くため・就職するため…という答えも、ありかなぁ…という感じでしたが、2019年現在を見ていると、この答えは当てはまらないですね。

小学校高学年くらいの子は、

みかちゃん
みかちゃん

もう、終身雇用の時代は終わったってニュースで言ってたよ。

こんなことを言う子もいますから。

なぜ勉強するのか?という問いについては、教師になって以来、20年程考えてきました。

ところが、正直言って明確な答えはありません。

ただ、3000人以上の子どもの声を聞いて、今はこんな風に考えています。

  • そもそも学問・研究というのは、生活の悩みを解決するもの
  • 勉強をすると膨大な時間を手にいれることができる
  • 勉強をすることで救われる人が出る→収入が増える

この理由について詳しく解説します。

 

目次

なぜ、勉強をするのか?一般的な考え方はどうだろう?

このテーマに関するTweetはたくさんありました。

そのうちの一つを紹介します。

なぜ勉強するのか。
それは知ることで選択肢が増えるから。

人は知っていることしかできない。
誰もが自分の知識世界に縛られている。

知らないことは可能性を狭めること。
知ろう。
自分が何も知らないことに気付こう。
私は井の中の蛙だ。

知識を増やそう。自分が知らない世界を知ろう。

やはり、いい大学に行くため、いい会社に就職するため…

という様な理由は見当たりません。

上のTweetもなるほどなぁ…と思いながら見させていただきました。

 

なぜ、勉強をするのか?【僕なりの考え】

学問というのは、生活の悩みを解決するもの

シンプルな話です。

生きていると困ったことに遭遇します。

「毎日の洗濯って大変じゃない!洗濯していたら半日終わってしまう。」

こんな悩みがあったために、誰かが洗濯機を作ろうとしたのでしょう。

じゃ、

自動に洗濯ができる仕組みはどうするか?

雨の日でも洗濯物が気持ちよく乾くにはどうすればいいのか? 

こうした研究がされ、技術が開発されたからこそ、僕たちは、ボタン一つで洗濯ができるようになったのです。

とても簡単な事例ですが、多くの人の問題を解決する最初の一歩は、研究から始まります。

 

勉強をすることで膨大な時間を手にいれることができる

研究には、膨大な時間、費用が必要です。

そして、研究をしていくと何らかの法則性が見えてきます。

それをまとめたものが、論文として発表されたり、わかりやすい書籍になって発売されます。

これらに触れると、膨大な時間、費用をかけて分かったことを一瞬で手に入れることができるわけです。

 

例えば、

算数で使われている筆算も長い歴史を経て、今の形が最も便利だろうという事になりました。

その便利な形を僕たちは、1時間も勉強すればマスターできるのです。

反対に勉強をしないというのは、先人が費やしてきた時間を手にしない行為だと思っています。

 

もっと身近な例で言えば、Blogの運営方法もたくさんの人が、何年もかけて分かったことをまとめて記事や動画にしてくれています。

それを学び、実践すれば、何年もの時間をかけて分かったことが手に入ります。

俺は俺のやり方でBlog運営をするぜ!っていうのもいいですが、このスタイルだと学んだ人以上に結果がでるのに時間がかかりそうです。

 

勉強をすることで救われる人が出る

学問は、生活の悩みを解決するもの

と先に書きました。

じゃあ、研究者でないと、生活の悩みが解決できないか?と思うかもしれません。

でも、そんなことはありません。

研究者が発見したことを知って、伝えるだけでも誰かの助けになることだってあります。

 

例えば、こちらの記事に携帯電話のデータ通信量(ギガ)を抑える方法を書きました。

あわせて読みたい

僕は通信の技術開発をしている訳でもなく、研究者でもありません。

でも、多少通信の事を学び、自分で試した結果をここにまとめました。

この記事を見た誰かが、今月は速度制限にひっかかることがなかった…となれば、勉強したことを伝えて誰かの役にたったことになります。

 

ですが、その一方で勉強したことを悪用する人もいます。

「地下鉄サリン事件」は、勉強をしてきた人が中心となって、多くの人の命を奪いました。

だから、勉強を正しく使う意思がないのであれば、勉強をすることは悪だと思います。

 

また、ある有名私立小学校では、学力順にクラス編成をし、学力の低いクラスの子ども達には「このままでは、いい中学に進学できない!」と煽りました。

その結果、子ども達はどうなったか…?

テストの結果が悪い子どもをバカにする様になってしまったのです。

つまり、勉強が人をバカにするツールになってしまったのです。

本当は、人を救うためのツールである勉強・学問が、使い方を誤ると、人の可能性さえも奪ってしまうものに変わってしまいます。

だからこそ、勉強をする時には、勉強の中身を理解することはもちろんのこと、あわせて「使い方」も学ぶことが大切です。

では、収入についてはどうでしょうか?

 

「救われる人がいて→収入が増える」の順番が超重要!

「進学や就職」のために勉強をするという人は減りました。

ところが、

「収入を得るため」

「安定した生活をするため」

という要素は、ぶっちゃけ心の奥底に残っている人も多いでしょう。

 

そこでまず、考えたいのは、

勉強をすれば収入が得られるか?

ってことです。

当然、どれだけ勉強をしても、絶対に収入が得られることはありません。

誰かに貢献しないと収入は発生しません。

ところが、過去の僕がそうだったように、多くの教師は勉強をして、採用試験を受けて、それなりの収入を得ています。

だから、勉強をすれば収入が得られるという錯覚を起こしているように感じます。

教育委員会の偉い方だって、そうして生活をし、地位を高めてきた方なので、こんな話が多くなるのです。

偉いおじさん
偉いおじさん

グローバル社会に突入します!

これからの時代を生き抜いていくには、基礎基本の徹底です。

学力が下がれば、生きていくことも困難になります!

子ども達のために確かな学力をーーーーー!

 

起業をされている方からすれば、あらっ?と思うような話ですが、教師の頃は、なかなかこの違和感に気づくことはできませんでした。

まさに、僕が「井の中の蛙」だったのです。

勉強をたくさんすれば、様々な角度から人の役に立てるようになる。

結果として収入が増えていく

この流れが大切ですが、教育の場で、人の役に立つために学ぶという視点が抜けてしまっているように感じます。

 

勉強をする理由が知りたいのならこの本がオススメ

これまで、勉強をなぜするのか?というテーマを扱った書籍はたくさん読んできましたが、この本が圧倒的に内容が深く、理解しやすかったです。

「勉強なんか大嫌い!」という少女が、「なぜ勉強をするのか?」を考え、成長する物語。

物語なので、主人公と一緒に勉強をする理由を考えられるって点が魅力。

勉強が大嫌いだった少女が勉強したくなる頃、あなたも次の一歩を踏み出したくなっているはずです。

僕の息子もこの本を読んでから、読書家になりました。

なぜ勉強するのか?のまとめに変えて…

「勉強をしないと食べていけない」よく言われる言葉ですが、これは、脅しのような言葉。

人の行動に関するさまざまな実験・調査がありますが、デメリットを提示するより、メリットを提示した方が人は行動する動機が強くなります。

もちろん、勉強すれば、収入が得られるというのも、真実と言えば真実ですが、小・中学生に伝えるには、飛躍しすぎているように感じます。

間違った解釈をしてしまうと

  • 勉強したのに全然儲からないじゃないか!
  • 勉強した分、損をした!

こんな発想にもなりかねません。

だからこそ、なぜ学問というものが存在するのか?という所を大切にしたいと思います。

人は誰もが誰かの役に立ちたいという本能をもっていますから、この部分を十分に親子で話し合えば、自ら勉強をたのしむ子どもに育っていきます。

 

そうは言っても、

とにかく今の成績を上げなくてはならない…そんなあなたは、こちらの記事を!

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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