【保護者向】いじめの事例からいじめ発生原因を考える

どこの学校の先生と話をしても

  • いじめは絶対にいけない
  • いじめは許してはいけない

と言われます。

にも関わらず、いじめはどんどん増加していると感じている方が多いと思います。

なぜ、こんな矛盾した様なことが起きるのでしょうか。

ズバリ!

学校・先生の指導がいじめを促進することになっている

というケースもあるというのが一つの要因です。

金田ママ
金田ママ

えっ??

学校や先生がいじめをする様に指導をしているの??

そんなはずはないでしょ。

もちろん、先生方が「いじめをしましょう」なんてことを言われることはありません。

ところが、日々の指導から子どもが「いじめた方が得」と感じてしまう様な指導が至るところに隠されている場合があります。

それがどういうことなのか、最近、実際に拝見した学校の事例を紹介しながら解説します。

いじめの解決に向けて、保護者としての意見を学校に伝える時の参考にしていただきたいと思います。

 

目次

【実例】子ども同士の関係が極めて悪く、いじめも多い小中学校

ある私立小学校と同系列の私立中学校の複数の保護者から相談を受け、実際に学校の様子も拝見してきました。

パッとみた時の印象は良い学校に見えた

小学校・中学校ともに校内に入った瞬間はいい印象でした。

  • 運動場は完全芝生
  • 冷暖房が完備
  • 校舎内はとても綺麗
  • 授業をしている各クラスはとても静か

パッとみた感じは、「さすが、名門私立小中学校だなぁ」という印象ですが、私は、

  • 挨拶をしてくれる子どもが少ないこと
  • 小学校でも授業中に発言する子どもが少ないこと

に違和感を感じました。

つまり、設備は一般的な公立小中学校よりも遥かに整っていますが、子どもらしさの様なものは感じられませんでした。

 

実際に起きていた「いじめ」の様子

休み時間や先生が席を外されている時、登下校時に、大抵子どもの本音が見えます。

私が見かけて気になった事例を一つ挙げてみます。

ひろ子ちゃん(仮称)は、学校内の休み時間は、いつもひとりぼっち。

誰もひろ子ちゃんに話かけようとしません。

ポツンといるひろ子ちゃんの周りでは、大小様々なグループで盛り上がっていました。

ところが、下校時のバスを待っている時には、先に列に並んでいるひろ子ちゃんを見つけて…

ギャル美ちゃん
ギャル美ちゃん

あぁ!ひろ子ちゃん!

今日は暑かったねぇ。

楽子ちゃん
楽子ちゃん

ひろ子ちゃん。

今日は宿題がめっちゃ多いし大変よね。

こんな事を言いながら、長い列に割り込みました

教室では、一言も声を掛けることがなかったのに…。

もちろん、ここでひろ子ちゃんは、困った様な顔をしていましたが、何も言うことができませんでした。

一事が万事。他にも似ている様なことがあるのではないかと思い、何人かの保護者、子ども達に話を聞いてみると、悲惨な状態でした。

  • LINEグループで特定の子どもについては全員が無視。
  • 深夜1時ごろにLINEスタンプを送りまくる。
  • ものを借りて壊して返却。

保護者の話によると、

〇〇ちゃんとは仲が良いふりをしているだけで、〇〇ちゃんは私よりも成績が悪いし、付き合いたくないっていうのが本当のところ。
でも、仲良くしておかないと、あること・ないことを言いふらすから仕方ないわ。

なんて家で話をしているという方が複数いらっしゃいました。

なぜ、こんな酷いことが当たり前の様に起きてしまうのでしょうか。

 

学校生活や授業の中で「いじめ」につながる指導が行われている?

実際に、この学校には「いじめ」に関する相談・苦情がたくさん寄せられており、現場の先生方もこの対応に終始追われているということでした。

こんなこと、先生方も誰も望んでいないのに、どうして起きてしまうのでしょう。

その原因は、

子どもの成長をビジネス化し過ぎたために起きる、授業の質の低下

が原因だと感じました。どういうことか解説します。

金田ママ
金田ママ

えっ!!

高い学費を支払っているのに授業の質が低いの?

勉強ができる子どもだけが高く評価される授業

複数のクラスの授業を拝見し、子ども達の声を聞いてみると…

  • 先生は、正しい答えを書いた人しか授業で発表させない。
  • 算数では、答えさえ合っていれば、発表することができる。
  • もし、間違った答えを言えば「もう少し勉強しなさい」と言われる。

信じられない様な言葉を様々な子ども達が言うのです。

確かに、私が授業を拝見していても、

御立場先生
御立場先生

その通りですね。

ここで、公式に当てはめると〇〇になりますからね。

ギャル美さんは、よく勉強していますね。

こうして、一部の優秀だと思われる子どもだけの発言で、どんどん授業が進んでいきます。

この様な授業が日々続けば、子ども達はどう感じるでしょうか。

先生や授業の進み具合に都合の良い人しか必要ない

ということを学ぶのです。

 

歪んだ競争によって学力を高めようとする仕組み

さらに次の様な制度が設けられていました。

  • 小学校でもテストの結果に順位がつけられ、公表される。
  • 基準点に満たない子どもは、放課後残され、満たされるまで問題をとく。

学校側の意図としては、順位をつけることで、子ども同士が切磋琢磨して、学力を高めて行って欲しいということでしょうが、順位をつければ、切磋琢磨するなんてことはありません

例えば、あなたが、

矢理手社長
矢理手社長

君の営業成績は、社内で最下位だなぁ。

と、言われて「よし!頑張ろう!」と思えるかどうかを考えて見ればわかることです。

テストの成績に対して順位をつけ、公開するということは、

成績の良い子が成績の悪い子を踏み台にして優越感を感じるだけのもの

になりがちです。

子どもはまだまだ成長の過程にいるために、自ら苦しい道を選ぼうとはしません。

友達の勉強を邪魔をしたら私の順位が高くなる

と、考える子も少なくないということです。

 

子どもは大人の姿を綺麗に写し出す

よく「子どもは大人の鏡」などと言われますが、私が今回拝見した学校の場合、

  • 先生同士の仲が良くない。
  • 先生や保護者が出身大学にこだわり過ぎている。

ということも感じました。

また、先生が保護者や子どもに対して、こんな内容のことを言われていました。

御立場先生
御立場先生

田中先生は、〇〇大学出身だから凄い先生ですよ。

もちろん、先生に悪気は全くありませんが、子どもは次の様に理解してしまいます。

  • 有名大学を卒業した人→凄い人
  • 有名大学に入れなかった人→普通の人・大したことのない人

 

私が、様々な学校を見てきた経験から言えば、こうした環境・考え方が根強い学校程、いじめが多いです。

そうなってしまう理由は簡単で、

学校や先生にとって都合が悪い子どもは、認められる機会が少ないから

です。

これは、子どもにとって相当なストレスですから、どこかでバランスを維持するために「いじめ」的な行動をとってしまう可能性もあるということです。

同じ様なことが塾でも起きています。

詳しくは、小学生でも塾に行きたくない!と言う本当の理由【子どもはよく見ている】の記事を参考にしてください。

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金田ママ
金田ママ

じゃあ、こんな学校に子どもが通っている私はどうしたらいいの。

 

保護者として意見が言いにくい時は…

「いじめ」の様な問題があり、学校の日々の授業内容に疑問を感じるようになると、意見が言いたくなるものです。

ところが、

  • モンスターに思われないかなぁ?
  • 子どもが可愛がって貰えなくなるリスクがあるかも?

と、心配される保護者の方もいらっしゃいます。

そんな時には、

クレーム・意見を言うのではなく、質問をする

ところから会話を始めるのも一手です。

金田ママ
金田ママ

先生、テストが終わった後に、順位が公開されていますが、なぜ、順位を公開しているのでしょうか

御立場先生
御立場先生

順位を見て、悔しいと思って、切磋琢磨して欲しいと思っているからですよ。

金田ママ
金田ママ

で、実際はどうでしょう。

子ども達は、順位を見て、よし!頑張ろう!という気持ちになれているでしょうか。私が、クラスの保護者の方々に聞く限り、順位付けによって、頑張ろうとしている子がいない様に思うのです。

今後、どうしていくのか、一度検討していただきたいのですが。

こんな風に、些細なことでも、一つ一つ質問をしていく必要があります。

学校の内部にいる先生にとっては、「当たり前」なことが、外部から見ると「おかしい」ということも多々あるためです。

質問や意見を言っても、学校が全く答えてくれないという心配がある場合は、学校や先生に言いたいことがある時【苦情を伝える手順とコツ】を参考にしてください。

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私も担任として仕事をしている時には、先輩の先生方にこう言われたものです。

教師が成長するチャンスは、研修でも勉強でもない。
子どもと保護者の意見が教師を育てる。

今でも、これは確かなことだと確信しています。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

社会全体を見ても、いじめが増えている印象を受けますから、ここで、大人自身の言動をどう解釈できるかを見直す必要がある様に思います。

選挙運動などを見ていると、いじめが起きても仕方がないんじゃない?と感じてしまうことがあります。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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