新学期を迎えると、子ども達は、新しい学年・新しい担任の先生になり、心機一転という気持ちで登校します。
親としては、その様子を見るのは嬉しいことですが、同時に学校からたくさんの配布物があり、提出物を求められます。
例えば、
- 子どもの健康に関する書類
- 家庭環境に関する書類
- 緊急時の下校の仕方
- 口座振替に関する書類(新入生の場合) など
その上、特に小学校の3年生くらいまでは、様々な持ち物の記名なども求められます。
うちは、共働きなの。
仕事で疲れているのに、いろいろ書かないといけないのは大変よ。
実際に、こんな声を何度も聞いてきました。
そこで、今回は、
を紹介します。
結 論
です。学校で担任として仕事をしてきた経験を踏まえながら、大切な部分と適当で良い部分を詳しく解説します。
正直に解説しますので、怒らずに最後までお付き合いください。
児童環境調査票(家庭環境調査票)は何のためにあるのか?
児童環境調査票(家庭環境調査票)は、上の写真の様なもので、就学しているお子さんがいる場合は、何度か目にしたことがあるはずです。
たくさん記入する項目がありますが、そもそも何のために児童環境調査票(家庭環境調査票)があるのか、説明がされることは滅多にありません。
そこで、私が担任として15年程度働いてきた経験で、児童環境調査票(家庭環境調査票)を使用した場面を紹介します。
- 学級名簿の兄弟関係を確認する時
- 発熱などで急遽学校にお迎えをお願いする電話をする時
- 初めて家庭訪問をする時
正直、この程度しか使っていませんが、もう少し、この3点について詳しく解説します。
兄弟関係を確認する必要がある理由
兄弟関係は、日常的に利用するものではありませんが、次の2点で活用します。
- 欠席した子どもに配布物を届ける場合
- 個人懇談会の時間割を設定する時
欠席した子どもに学校からの配布物を届ける場合
あなたも子どもの頃に、「今日、欠席している田村くんの家にこれを届けてくれる?」なんてお願いをされたことがあると思います。
この時、田村くんの家の近所の子にお願いしてもいいでのすが、兄弟がいるのであれば、兄弟にお願いした方が無駄がありません。
年度当初は兄弟関係が分からないので、児童環境調査票(家庭環境調査票)を活用していました。
個人懇談会の時間割を設定する時
個人懇談会や家庭訪問などの日程を組む時に兄弟関係は確実に把握しないといけません。
例えば、個人懇談会では保護者の方に学校に足を運んで貰うことになりますが、
2年生 田中 はな子 | 7月20日(月) | 14:00〜14:20 |
5年生 田中 まなぶ | 7月20日(月) | 17:00〜17:20 |
兄弟でこんな時間設定をしてはいけません。もちろん、兄弟で日程が異なるなんてこともよくありませんから、兄弟関係を把握しておいて、担任同士、話をして調整する必要があります。
ですから、兄弟関係については正確に記入する必要があります。
急遽学校にお迎えをお願いする電話をする時
発熱・怪我などによって、急遽学校に保護者の方、身内の方にお迎えをお願いしないといけない場合があります。
その時に、児童環境調査票(家庭環境調査票)を見て電話をかけます。
ところが、ご夫婦とも仕事の関係で電話に出られないという場合もありますので、近隣に親戚・おじいさんなどの身内の方がいる場合は、枠外でも連絡先を書いていただけると助かります。
初めて家庭訪問をする時にだけ地図を使う
家までの地図を描く欄がありますが、これは、初めて家庭訪問をする時にだけ使用します。
小学校の担任は、概ね校区の地図は頭に入っているので、家の近くのグーグルマップをペタッと貼り付けて、「自動販売機の3件向こう」などとメモを書いておくだけで十分です。
必ずしも学校から家までの道の全てを描く必要はありません。
以下のマップはサンプルで作成してみました。参考にしてください。
児童環境調査票(家庭環境調査票)のその他の項目について
児童環境調査票(家庭環境調査票)は、学校によって形式は様々です。
そのため、学校によっては、次の様な欄が設けられていることがあります。
- 自由記述欄
- 家庭の教育方針
- アレルギーなどについて知っておいて欲しいこと
ところが、これらの項目については、チラッとしか見ません。
ということで、空白でもまったく問題ありません。また、それでは体裁が悪いなぁ…と感じる場合は、真剣に考えるのではなく、適当な一文を書いておけば十分です。
なぜ、チラッとしか見ないのか?その理由を説明します。
児童環境調査票(家庭環境調査票)の教育方針などを見ない理由
本来、家庭の教育方針という欄を設けた以上、担任は目を通す必要がありますが、4月に入ると夏休みまでの間は、怒涛の様な日々です。
実はお手洗いに行く間すらなくて、膀胱炎になってしまわれる先生もいるくらい、真面目に働くと忙しい日々を送ることになります。
そして、少しホッとできる夏休みになる頃には、すでに全員の保護者と顔見知りになっていて、日々、いろいろな会話をするために、教育方針は概ね把握している状態になります。
つまり、
ために改めて児童環境調査票(家庭環境調査票)を見る必要性がないのです。
ですから、もし何か書いておくのであれば、
- 自分のことは自分で決める自主性をもって欲しいと思っています。
- のびのびと子どもらしく、遊びも勉強も頑張って欲しいと思っています。
この程度のことを書いておけば十分です。
でも、アレルギーなど身体に関することは重要じゃない?
アレルギーなどについて知っておいて欲しいこと
アレルギーや発達に関することは、非常に重要です。
ですから、配慮が必要なほどの問題がある場合は、前担任から詳しく様子を聞きます。
とは言っても、宿泊学習などが大きなイベントがある学年の場合は、どの程度の配慮がしてもらえるか心配されるケースもあります。
その様な場合、担任側から事前に連絡をとって、直接話を聞くことになるために、記述欄に細かく書く必要はありません。
- 卵と牛乳アレルギーの為に、給食は除去。
- 軽度の魚アレルギーがあるが、食べる・食べないは本人判断という程度。
この程度で十分です。
なお、宿泊学習など大きなイベントの時には、別途、身体に関することを全員に聞き、保護者説明会なども設けて、個別に話を聞く機会が設けられるので、心配は要りません。
大切なのは、担任の先生と直接コミュニケーションをとること
児童環境調査票(家庭環境調査票)を丁寧に詳細に書いていただけるのは、嬉しいことですが、それよりも、直接、話をした方が、より建設的です。
現代は、いろいろなことが、デジタル化され、連絡もメールという形になることが多いですが、メールで知らされたことは印象に残りにくいものです。
これまでに、何度か重度のアレルギーの子どもを担任した経験もありますが、その時に、直接お会いして何度も話すことで、「学校がすべきこと」「保護者がすべきこと」がお互い気持ちよい状態で分担することができました。
また、学校の先生とどの様に付き合えばいいのか?詳しくは、学校や先生に言いたいことがある時【苦情を伝える手順とコツ】で紹介しています。特別、苦情がなくてもどう接するといいのかが分かります。
つまり、児童環境調査票(家庭環境調査票)はちょっとしたメモ程度として捉えて、重要な中身は直接話すという形がベストだと言えます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
実は「家庭の教育方針って何書いたらいいの?」って気持ちよく分かります。担任として学級目標を決めなさいと言われてきましたが、何て書いたらいいのか? 何のために書くのか?全くわかりませんでしたから。
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