「成績が下がった!」という時に、どうすればいいのでしょうか。
特に、受験を控えた小学校6年生・中学・高校3年生の場合、親の方もついつい焦りを感じてしまうのではないでしょうか。
そんな時に…
- 叱るのがいいのか?
- 何がいけなかったのか反省をさせたらいいのか?
- 強制的に塾に行かせるのか?
- 何か罰を与えるのがいいのか?
- 今度頑張ったら、得られるご褒美を決めるのか?
どうするのがいいのか悩むこともあると思います。
実は、私の場合は、
ので、こうしたことに悩むことはありません。
ただ、これはあまりにも特殊なので、
ことをオススメします。
なぜ、私は自分の子どもの成績表をみないのか? また、なぜ失敗談を話ながら今後について考えるのがいいのか詳しくみていきましょう。
【最悪】成績が下がったから罰を与える・叱りまくるはダメ
これまで、担任として子ども達と関わってきた経験から言えば、受験を控えた学年で、高い目標を設定している子の保護者は、成績に非常に敏感です。
うちの子は、医学部に進学させることにしているの。
だから、絶対に〇〇高校に合格しないといけないの。
その為に、たくさん塾代も払ってきたのよ。
受験することも、高い目標を設定することは素晴らしいことですが、「絶対に〇〇でないといけない」などと気合いを入れるほど、子どもが期待に沿わない時に腹が立つので注意が必要です。
叱りまくって成績が伸びる子どもはいない
「叱りまくれば人は成長するのか?」という質問に「Yes」と答える人はいません。
それは、大人の社会を見ても良く分かります。
おいおい門苦田!
その仕事をするのに何日かかってんだ?
いつもボーッとしているからダメなんだよなぁ。
す・すみません。
今日中にはなんとか仕上げますから…。
言葉の上では、「すみません」と言っていますが、心の内はどうでしょうか。
- 偉そうに言いやがって
- お前の段取りが悪いからじゃないか!
などと思っているはずです。当然、相手にもよりますが、私だってこう思うことがあります。
つまり、
だということです。
そして、あまりにも社長の言葉が酷いと、
今はとにかく我慢だ。
いろいろ準備が整ったらこんな会社辞めてやるぜ。
という思考にもなっていきます。
例え、小学校6年生であっても、この様な気持ちになるものです。
つまり、
ということです。
じゃあ、叱らない代わりに何か罰を与えるってのはどう?
自動車のスピード違反だって、罰金制度があるでしょ。
罰が嫌だから頑張るという人に育てたいか?
成績が下がったら何かしらの罰が与えられるという話は子ども達からたくさん聞きます。
- ゲーム機を取り上げられる。
- スマホが取り上げられる。
- 塾に無理やり行かされる。
この様な罰則があるから、勉強を頑張るという子どもは、意外と多いものです。
また、罰則があることで頑張る子どもを見ると、即効性がある様に見えるのですが、
ということは、真剣に考えるべきです。
これも大人社会をもとに考えると見えてくるものがあります。
おぉー危ないところだった。制限速度より30km/hオーバーしてたけど、他の車が捕まってくれたから俺は助かったわ。反則金25,000円はきついわなぁ。
ここで考えたいのは、ネズミ捕り(スピード違反の取り締まり)が世の中からなくなれば、門苦田さんはどの様な運転をするでしょうか。
きっと、法定速度を無視した荒っぽい運転をするでしょう。
つまり、罰があるから約束を守るという思考になっているということです。
この思考では、
- 根気強く頑張るという習慣はつかない。
- 罰が嫌だから頑張るという人なる。
ことが明確です。やはり、
という思考をもってほしいと願っています。
じゃあ、やっぱりプラス思考で、次、頑張ったらご褒美をあげる作戦ね。
「次、成績が上がったらご褒美をあげる」は注意が必要
大人の私たちも「ご褒美」が大好きです。
「ダイエットを頑張ったら自分へのご褒美を」なんていう言葉も良く聞きます。
また「夏のボーナスを期待して頑張る」なんていう方もいるでしょう。
ですから、ご褒美を考えることは決して悪くありませんが、注意が必要です。
ということです。
ご褒美の内容によっては注意が必要だという意味とは?
テストを行った日とか、通知表を渡す時期が近づいてくると、子ども達は、得られるご褒美のことをたくさん話してくれます。
- お小遣いがUPする。
- 新しいスマホを買ってもらえる。
- 新しいゲーム機・ゲームソフトが買ってもらえる。
- ディズニーランドなどのテーマパークに連れていってもらえる。
どのご褒美も子ども達が話をしている時は、目がキラキラです。
ところが、
成績が上がったら、お小遣い500円UPするんだ。
勉強は大変だけど、テスト頑張ったから、先生、いい点数つけてな。
えっ!お小遣いが500円UPで嬉しいの?
私だったらあまり嬉しくないなぁ。
せめて、ディズニーの年間パスポートくらい買ってもらわないと…。
はなちゃんは、500円UPで今は満足ですが、その次もその次も500円UPで、喜べるのか?という問題があるわけです。
楽子ちゃんは、それまでにたくさんのご褒美をいただいてきたのでしょう。
より強い刺激でないと満足できなくなってきているのです。
これは、ゲームにハマった子どもがより強い刺激を求めて、さらにゲームをやり込むようになるという仕組みと同じです。
この様な脳内の仕組みは、根気強くなるには意思や訓練が重要?脳内の仕組みを解説で紹介していますので参考にしてください。
じゃあ、どんなご褒美がいいのよ!
できるだけご褒美は、ものではなく素晴らしい時間に!
先に紹介した、ご褒美の多くは「もの」でした。
ここから離れて、素晴らしい時間を共有するご褒美を考えたいものです。
- 仕事が無茶苦茶忙しいけれど、一緒にサッカーをする時間を作る。
- 一度、ゆっくりと山や海に出かけてみよう。
- 家族でスポーツ観戦に行こう。など…
ポイントは、華やかなことを敢えて避けることです。
できるだけ、自然が感じられる様なことを一緒にすることで、強い刺激を避けられます。
我が家の場合は、成績でご褒美を考えることは滅多にしませんが、何かご褒美を与えた方がいいなぁ…と思った時には、早起きしてお気に入りの魚屋さんに買い物にいくことにしています。
めちゃくちゃ地味なご褒美ですが、5年以上経過しても飽きていません。
バスケの練習、よく頑張ったなぁ。
来週、いつもの魚屋さんに行こうか。
5時半起きやで。
次の成績に向けて、ご褒美なしでもOK【真剣に話をすれば良い】
では、成績が下がった時に、ご褒美作戦を実行しなければいけないかというと、そんなことはありません。
一生懸命、学校生活を送ってきた子どもほど、自分で反省点が分かっているはずです。
ですから、叱る必要もなければ、改善策を言わせる必要もありません。
のです。真剣に話をすれば、必ず何かが伝わるはずです。
誰だって苦い思い出はあり、成績も必ず、順調に伸び続けるなんてことはありません。
成績でも、仕事の業績でも、上がったり下がったりするということを伝えれば良いのです。
そもそもですが、成績が出た時には遅いのでは?
冒頭で、私は、「自分の子どもの成績を見ない」と伝えました。
その理由は、
からです。
例えば、あなたの子どもが大学受験を控えているとしましょう。
当然、無事に大学に合格すれば嬉しいですが、不合格になってしまったら叱るのか?ということを考えてみてほしいのです。
「どう見ても一生懸命、勉強に励んでいた」というのであれば、あなたも叱らないはずです。
結果は残念でしたが、今後どうするのか、真剣に親子で話し合うはずです。
反対に、「いい加減に、ダラダラ勉強していた」と感じるのであれば、その時点で今後どうするのかを話し合う必要があります。
つまり、成績・テストの結果を見て、「大変だ!」と思う様なことがあれば、日々の親子の会話が格段に少ないか、子どもをしっかりと見ていないということです。
何も勉強の出来具合を親子で話す必要はありません。
学校であった楽しいことや部活のこと、友達のことなど話をたくさんすれば、日々、一生懸命に子どもなりに生活をしているかどうかは、なんとなく感じられるものです。
何か問題を解くときには途中経過も大切です。
親子関係も途中経過は非常に重要なので、点数に左右されないくらい親子関係を普段から築いておきたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
「通知表の見方」と手紙が通知表と共に配られることがありますが、本当は4月に「通知表のつけ方」というものを配布すべきじゃないかなぁと思います。
私がもっていたクラスでは、毎年4月に配布していました。
結果も大事ですが、途中経過で学ぶことってとても多い気がします。
コメント