中高生の英単語の勉強には紙の辞書を!【アプリの利用は後】

中学生の後半くらいから学習する英文は、だんだん複雑になってきます。

特に私の様に英語が得意ではない人は、「何でこんな文章を読まないといけないんだ!」なんて思うことも多いでしょう。

けれど、高校受験をするにしても大学受験をするにしても、英語の縛りから逃れることはできませんから、なんとか踏ん張るしかありません。

ところが、最近の中高生の英語学習を見ていると、

記憶している英単語数が少ないために苦労をしているのでは?

と思うことが多々あります。

もちろん、文法的なことを理解することも大切ですが、最近は中学生でも初見でかなりのボリュームの長文を短時間で読み、質問に答えることが求められるようになりました。

これらの問題をクリアしていくには、それなりに知っている単語数が必要だということです。

では、どうすれば知っている英単語数が増えるのでしょうか。

古臭く機能的ではないが、紙の辞書を使う

ことから始めるべきです。

私が関わってきた子ども達の中でも、紙の辞書を使わずアプリや電子辞書を使っている子どもは知っている語彙数が少ない傾向が見られました。

反対に、地味ですが紙の辞書を使っている使っている子ども達は、知っている語彙数が多い傾向が見られました、

なぜ、この様なことになるのか考察したいと思います。

金田ママ
金田ママ

英単語を調べるのに電子辞書の方が圧倒的に便利で、登録されている語彙数も多いのに、どうして紙の辞書の方がいいの?

目次

人間の記憶は基本的に関連づけによって確立される

たくさんの英単語がパッと覚えられるなら何の問題もありませんが、残念ながら人は、生きていく上で必要なことを優先的に記憶していきます。

私たち日本に住んでいる人はなぜ、日本語を忘れないか?

当たり前のことですが、私たち日本に住んでいる人は、日本語を忘れてしまうということは滅多にありません。

毎日の様に、家族や友達とコミュニケーションをとり、ネットからの情報や書籍からの情報も日本語から得ているために、もはや忘れる余地もないという状況です。

例えば、今朝は海外の子ども達と「やんちゃ」という言葉について話をしていましたが、日本にいる人からすると、

「やんちゃ」と言えば「やんちゃ」やろ!

というくらい感覚的に身に染み付いている言葉のはずです。

「やんちゃ」という言葉の意味を辞書で調べたこともない人がほとんどでしょうが、なぜ、言葉のニュアンスも含めて、しっかりと理解することができているのでしょう。

その理由は、

  • 時々、暮らしの中で聞くことがある・書籍で見かけることがある。
  • ある子どもが「やんちゃ坊主!」などと言われている場面を見たことがある。

などが考えられます。

つまり、適度な利用頻度があり、「やんちゃ」と言われている場面を関連付けることができているために、しっかりと理解することができ、記憶に留めることができるのです。

世の中には、様々な記憶関連に関する書籍が出ていますが、どれも基本的には関連付けをどうするのか?という工夫が書かれています。

記憶に関して詳しくは、子どもの記憶力を高める方法【基本的な考えは超シンプル】の記事を参考にしてください。

 

新しい言葉を覚えるには、できるだけ多くの関連付けを!

例えば、「香川県に丸亀市という街があります。覚えておきましょう。」と言ったところで、1週間もすれば、忘れてしまう人がほとんどです。

ところが…

はなちゃん
はなちゃん

なんや!丸亀製麺って香川県の会社だったの?

マナブくん
マナブくん

香川って言えば、うどん県の愛称でも知られてるしな。

これで、丸亀市は香川県にあるってことは忘れないわ。

こうした余分な情報と関連付けることで、新しい情報がより身近なものとして記憶され、利用価値も高まっていきます。

つまり、大切なのは、

敢えて余計なこと、余分な情報と共に頭に入れる

ということが重要だということは、念頭に置いておきたいものです。

このことも踏まえて、紙の辞書と電子辞書を比較してみましょう。

 

英単語の勉強にはどちら?電子辞書・アプリと紙の辞書を比較する

電子辞書・アプリタイプの辞書は、紙のタイプの辞書よりもはるかに高機能です。

1つの電子辞書の中にも、ジーニアス英和辞典・OXFORD現代英英辞典・新明解国語辞典…など様々な辞書の情報がギュッと詰まっているものばかりです。

そのため、

  • 掲載されている単語数は紙の辞書よりも圧倒的に多い。
  • 例文数も紙の辞典より圧倒的に多い。
  • タイピングさえできれば、すぐに意味を知ることができる。
  • コンパクトなので持ち運びに便利。どこでも使える。

もはやメリットしかない!と言えそうな状態ですが、

この便利さが、英語を本格的に学び始めた子ども達にとっては、仇(あだ)となる

のです。

 

圧倒的に機能的で便利な電子辞書・アプリが仇となる理由

理由はとてもシンプルです。

電子辞書・アプリの場合、目的を達成するのに時間がかからないから

です。つまり、記憶に重要な余分なものに触れる機会が随分少なくなってしまうからです。

さらに別の表現をすれば、

車で駅まで送迎して貰えば、身近な草花の変化・お店の変化に気づかない

ということです。これでは、抽象的なので、英単語の具体例を挙げて解説します。

 

「refrigerator」を電子辞書・アプリで調べた場合

例えば、「refrigerator」の意味が分からないとしましょう。

電子辞書やアプリで調べると、

冷蔵庫 <冷蔵>
a refrigerator; 《主に米国で用いられる》
an icebox《英口語》
a fridge (特に家庭用の)
電気[ガス]冷蔵庫
an electric [a gas] refrigerator

(weblioより抜粋)

一瞬でここまでたどり着きます。

英語の勉強が嫌い子どもが求めているのは、答えだけで、他の「a fridge」「an icebox」などには興味をもたないのが通常です。

マナブくん
マナブくん

あっ、冷蔵庫って意味ね。
OK・OK!

で終わってしまいますので、関連性が生まれにくいのです。

 

「refrigerator」を紙の辞書で調べた場合

「refrigerator」を辞書で調べるには、なかなか厄介ですが、この厄介が宝ものです。

もちろんスペリングを確認しながらページをめくっていくのですが、パッと「refrigerator」を見つける子どもは滅多にいません。

必ず、近くに掲載されているrefrigerationなども目に入ってしまいます。

この経験がとても重要で、単語を調べる度に、近くに掲載されている単語が目に入るのです。

中学生後半にもなれば、1日に何度も辞書を使うことも多くあるので、これが1年・2年と積み重なっていくと、知らず知らずに触れる単語の量は、電子辞書の場合より圧倒的に多くなります。

英語の勉強をコツコツとスタートさせた中学生の辞書(調べたら必ず印を入れている)

さらに、この様に調べた単語に印を入れておくことも大切です。

こうしておくと、次回、同じ単語を調べた時に、

マナブくん
マナブくん

あぁ!そうだった。

この前もそう言えば調べた単語やった。クソッ!

こんな風に感情も動くので、記憶に残りやすいのです。

大変な勉強をしていると、ついつい楽に便利に理解できたらいいのに…と思うものですが、近道をすれば、その分、出会えるものは減ってしまうのは当然のことです。

ですから、英語が苦手な人ほど紙の辞書を使うことをお勧めします。

繰り返しになりますが、駅までの道を歩けばたくさんの発見があるものです。

金田ママ
金田ママ

じゃあ、電子辞書やアプリはダメな存在ってこと?

 

電子辞書・アプリは悪ではなく上級者向け!

電子辞書やアプリはかなり高機能なので、上手に使えば利用価値はとても高いです。

これを分かりやすく言うのなら、

大人がメールやLINEを使うと効率的なのと同じ

ということです。

大人の場合は、直接人と会ってコミュニケーションをたくさんしてきていますから、便利なツールを活用しても、問題に発展することはあまりありません。

ツールの良いところ・悪いところをなんとなく理解した上で使うことができますから。

英語の学習も同じことで、英語学習に慣れてきた人は、電子辞書やアプリを使った時に

  • いくつかの例文を見た方が理解しやすい。
  • 単語を分解してみると(re-frige-rator)どんな理解になるか?
  • 他の表現はあるのか?

ここまで見るために、非常に効率的になります。

まぁ、このレベルまで到達している子どもは、放っておいてもどんどん多くの単語を吸収していきますから、何も気にする必要はないと思います。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

私の場合は、紙の辞書と電子辞書を併用していますが、紙の辞書で調べた方が頭にしっかりと残っていると感じます。

 

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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