私立中学を受験する最大のメリットが怖い【賢い子は厳しさを求める】

小学校・高学年にもなれば、子どもの将来を考えて、私立中学の受験を視野に入れる人も増えてきます。

学費や通学にかかる費用のことなどを考慮すると、出費は公立中学校に比べるとかなりかさみますが、それでも私立中学校に通わせたいと思われる大きな理由は、

同系列の高校・大学までエスカレータで進学できる

ということです。

ところが、近年(現在は2022年)では、「恵まれた環境」だからこそ、不安になるという声も多くなってきました。

社会人を見ても、素晴らしい企業に就職したにも関わらず、離職をするという人が増えてきています。

  • 名の通った有名企業
  • 給料はまずまず良い感じ
  • 残業は少ない
  • 休暇も取りやすい

こんな素晴らしい環境であるにも関わらず、なぜ、離職をする若者が増えているのでしょう。

また、私立中学の受験とどの様な関係があるのか、詳しく見ていきましょう。

先日、教え子が「離職を考えている」という話をしてくれたことも踏まえながら解説します。

 

目次

若者が就職したのに離職する理由は「不安」

若者が離職するというのは、善か悪か?そんなことは一概に決めることはできません。

ただ、親の立場からすれば、

せっかく大学まで進学させたのに、なぜ離職するのか? もう少し頑張れ!

というのが正直なところでしょう。

 

若者が素晴らしい条件の会社でさえも離職する理由とは?

一言で言えば、こういうことです。

条件が非常に良く、本当にこれでいいのかと不安になる

働きがい研究所の調査によると、「キャリア成長が望めない」という理由で離職をしている人が多いことが分かります。

平成生まれの退職理由って?(https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_14より引用)

離職を考えているという話をしてくれた教え子にも詳しく話を聞いたところ…

  • 上司に厳しく注意されることがない。
  • 失敗をして落ち込んでいても、励ます言葉しかかけられない。
  • 残業代も必要ないからもう少し仕事をする時間が欲しいというと「無理はするな」と言われた。

ということでした。

彼がしていた仕事は、研究的な要素も強く、もっと仕事に没頭したかったのでしょうが、このような、いわゆる「優しい言葉かけしかなかった」ために、このままでは自分がダメになると感じたそうです。

仕事に対して使命感の様なものを感じている人ほど、無難な対応に不安を感じるのでしょう。

実は、私も全く同じことを感じたことは何度もあります。

 

本当は企業・会社側も強く言いたいが言いにくい社会

企業・会社側からすれば、部下が失敗をすれば、

  • 厳しく注意することも時には必要ではないか。
  • 「落ち込んでいる暇なんてない。次を考えろ!」と言いたい。
  • 「少々無理をしてでも頑張れ」と言いたい。

というのが、正直なところでしょう。

ところが、昨今の社会状況を見ると、言い方、部下の教育の仕方によっては、非常に面倒なことになることも多いです。

だから、そのリスクを負うくらいなら、無難にしておいた方が良いという考えに落ち着いています。

つまり、

新たな挑戦をしたい人は、多少の苦難があることも覚悟しているが、全体としては、無難であることを求める人が多いために、企業・会社側も無難な路線を選んでいる。

ざっくりと言えばこういう感じです。

ここであなたに質問です。

  • 多少の苦難が伴っても新たな挑戦をしたいと考えている人
  • 大きなリスクはとらずに無難に仕事をしたい人

どちらが優秀な人材と言えるでしょうか。

私は、多少の苦難が伴っても新たな挑戦をしたいと考えている人だと思っています。

こうした人を優秀な人材と呼ぶならば、彼らは、今ある環境に満足せず、さらに厳しい世界に飛び込んでいく傾向が強いです。

企業・会社から教わるという感覚から企業・会社で学ぶ

という感じになってきているということです。

 

リスクを恐れていては、絶対に自己実現はできない。

「無難に仕事をこなし、それなりの待遇で働ければ十分満足だ」という考えもいいのですが、何か自分の目標があるという人は、どこかで絶対にリスクをとらないといけません。

これは副業をされている方の様子を見ればよく分かります。

  • 副業の収入が本業の収入を超えたら退職をする
    →実現はかなり難しい。
  • 副業のつもりで始めたことが面白いから本業を辞めて専念する。
    →本業と同等、それ以上の収入になることが多い。

ここでは、分かりやすい事例として副業を挙げてみましたが、何でも同じです。

夏休みが終わる頃になって、宿題を真剣にやり始めるというのも、「後がない」というリスクがあるためです。

つまり、リスクがあるからこそ、頑張れるという側面を多くの人がもっています。

言葉では理解できている人が多いのですが、親として子どもにこのメッセージを本気で投げかけている人は、意外と少数派です。

 

エスカレータ式の進学を期待して中学受験をさせるデメリットとは?

エスカレータ式の進学を期待して中学受験をさせるということは、

とりあえず無難に生きよう!

ということを教えている様なものです。

もちろん、エスカレータで、高校・大学と進学することが悪い訳ではありません。

ただ、実際にエスカレータ式の進学を期待して中学・高校受験をさせようと考えている保護者の方から話を聞くと、

金田ママ
金田ママ

中学さえ入ってしまえば、大学まではなんとかなるわ。

で、大学を卒業したらどこか就職できるでしょ。

と言われる方も意外と多いです。

確かにそうなのかもしれませんが、「子ども達は、こうした生き方を理想としているのか?」ということも考えたいものです。

無難であるかもしれませんが、子ども達にとってリスクが非常に小さいために、本気でどう生きるのか考えるチャンスを逃している様にも見えます。

 

私立中学・高校受験については、私立中学校を受験すべきか?メリット・デメリットを教員の立場から解説の記事も参考にしてください。

 

自分自身が大きなリスクをとって分かったこと

私の場合は、公立学校の教諭でしたから、経済的な不安を感じることなく生活をすることができましたが、離職しました。

家族もいる状態での離職ですから、リクスは相当大きなものです。

だからこそ、本気でもう一度

  • 勉強をする意味を考えなおす機会
  • 価値ある仕事とはどういうものか考える機会

に恵まれました。

何より、

自分の子どもがリスクをとってでも挑戦したいということを認めらるようになった

ことが良かったと思っています。

息子は大学で学びたいことがあるようですが、テニスも大好きです。

高校3年生でありながら、いろいろな大会に出て、社会人の方ともテニスを楽しんでいますから大学受験は厳しいものになることは確実です。

  • テニスと勉強を両立させることを目指してもよい。
  • 浪人するなら浪人したらいい。
  • 散々、大変な思いをして、生き方を考えたらいい。

心の底からそう思えるようになりました。

 

重要なのは形よりも中身【賢い人・会社はもうシフトしている】

単純な話ですが、

〇〇大学卒業だから優秀な人材である・仕事ができる・人として立派。

なんてことはありません。

仮に「〇〇大学卒業だから採用した」という企業・会社であれば、その職場は、こうした肩書きだけで人を評価するという風潮が強いということです。

果たして、その様な環境で、情熱的に仕事を楽しむことができるのか?ということも親は視野に入れておく必要があります。

今、私が一緒に仕事をさせてもらっている方々は、一般的な主婦の方(大事業に発展していますが…)から、企業・大学教授まで様々です。

ですが、共通している点は、

どうしたら相手のメリットがより大きくなるだろう?

を常に考えておられるということです。

離職を考えているという話をしてくれた教え子も、もっと社会の役に立ちたいという考えが一番強く、恵まれた環境を離れようとしています。

人生の大きな選択を自分自身がしたり、そんな場面に出会うと、選択時に思い切り悩み・苦しむことが人生を豊かにする糧となると思うのです。

そういう訳で、エスカレータを期待した中学・高校受験は子どもにとってプラスになるのか?疑問も感じるのです。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

小学生の子ども達に「社長ってどんなイメージ?」と質問をすると、お金持ち・偉い人なんて答えます。

でも、そんな立場になるのにも大きなリスクが必要だったということを伝える必要があると思うのです。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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