大変な受験勉強をしている時や大量の提出物を求められた上に期末テストが迫ってきたという時は、「何でこんな勉強をしないといけないんだ」と誰もが思うものです。
もちろん、私も大学受験前には「こんな勉強をして何の意味があるんだ?」と何度も思ったものです。
ただ、それから大人になり、世界各国の子ども達とも日々、話す機会をいただいたり、先生方に対して助言をする様な機会をいただくと…
とも思える様になりました。
とは、言っても大変な勉強の真っ只中にいる中高生は、こんな風に思える余裕もないでしょうから、次の2点に絞って話をすすめます。
一般的には、勉強をすれば「稼げるとか、地位が得られる、騙されない」などと言われますが、ここでは、それよりもう少し深い話を展開します。
- あなたの人生は意味あるものだけで構成されているのか?
- 「学校の勉強に意味がない」と感じるのは当然で、指導者の課題でもある。
あなたの視野がより広がることを期待して、話を進めていきます。
学校の勉強に意味がある?ない?【普通に考えたら意味はない】
まず、誰もが何度か思う「学校の勉強なんか意味がない」理由について触れておきます。
一言で言えば、
からです。もう少し具体的に言えば、
- 小学校で学習する分数÷分数を使うことってあるのか?
- 歴史なんて過去のこと。これを知ったからと言って未来に得をするのか?
- 俺は日本で働くことを決意しているから英語は必要ない。
- いい大学を出たからと言って、就職できるとは限らない。
こう考えると、一部の専門職の方をのぞけば、学校の勉強なんて使うことはないでしょう。
では、反対に、
ということも考える必要があります。
私の経験で言えば、今でも何が自分にとって意味あることで、何が無駄か全く分かりません。
だから、人生って大変でもあって、面白いものだと思います。
意味がないことをするから人は豊かになれる
先に挙げた様に、何かやったことが
- 将来の仕事に役立つとは限らない
- 稼ぎになる訳でもない
そういう理由だけで「やるだけ無駄」と考えるのは、非常につまらない人生になります。
今日のあなたの行動は全て意味があることだったのか?
ここで、あなたの今日の1日の行動を振り返ってみましょう。
例えば、お気に入りの服を着て、友達とディナーを食べに出かけたとしましょう。
これによって、あなたの仕事に何らかの変化がおきたり、稼ぎが変わったりするでしょうか。
通常、ディナーを食べに出かけたことで、仕事や稼ぎに変化はおきないと考えるのが妥当です。
また、「お腹が空いたから」とか、「栄養を取り入れる必要があった」と考えるのであれば、栄養ドリンクを飲んだり、サプリでもかじっておいた方が、時間も出費も抑えられますが、誰もこんな考え方をしません。
ディナーを食べに行くって、やっぱり楽しいことよ。
つまり、仕事や稼ぎの面から見れば、大した意味はないけれども、楽しみたいからディナーを食べに出かけるのです。
この様子を見て「無駄なことをしているなぁ」と思う人は少数でしょう。
もし、私たちの暮らしが、仕事の獲得や稼ぎを増やすためだけのものになれば、苦痛の様な日々になるということは十分想像できるでしょう。
意味がある行動か意味がない行動かなんて誰にも分からない
今の時代、誰もが当たり前の様に食べているパンですが、パンが誕生したのも意味不明な行動からだと言われています。
まだパンが無かった時代の人々は、小麦粉を練ってナンの様にして焼いて食べていました。
ある日、ジャックさんは、小麦粉だけを練っても面白みがないので、干しぶどうを生地に練り込んでいました。
そこに知人が訪ねてきて、「ちょっと手伝って欲しいことがある」と言われて、干しぶどう入りナンの生地を放置して、外出しました。
そして、数時間後にジャックさんは帰宅して驚きました。
おぉぉーー、なぜかナンがめちゃくちゃ大きくなってる!
これを焼いても食べらるのかなぁ。
答えは、「やってみないと分からない」が正解です。
ジャックさんは、この魔法の様に膨らんでしまった生地を焼いて食べてみたところ、最高の食感を楽しむことができたのです。
そして、この勇気ある行動が、後世の私たちにまで受け継がれているのです。
実は、これだけ便利な時代であっても、やってみないと分からないということは、山ほどあるのです。
反対に、「最初から意味がある・意味がないと明確に分かっている」のならば、その想定内の人生しか期待できそうにありません。
私は、ジャックさんの様にチャレンジし続けたいと思っています。
また、あなたが知っている有名な実業家の方々も、「確実に未来に役立ち、いい収入になる」と最初から確信していた訳ではありません。
意味があるかどうか分からない状態で、挑戦し続けたら「なんとなく意味があるかも?」と感じられるようになったというのが実際のところでしょう。
つまり、
のです。
もし、とことん頑張ったけれども、意味がないと感じるのであれば、辞めてもいいと思います。
その代わりにあなたは、何をしますか?
やってみないと分からないという視点はとても大切で、【勉強をする理由】答えが出せないという経験を存分に積むための記事でも触れています。
公立学校の教師を辞めて分かったこと【勉強を辞めても同じ】
偉そうに「勉強を辞めたら良い」と言いましたが、私自身、勉強を辞めたことはありません。
ただ、公立学校の教員として15年以上仕事をしてきましたが、辞めました。
辞めた当初は、全てが自由で、時間に縛られない生活を満喫することができましたが、そんな生活は、1ヶ月で飽きました。
自由ですが、誰からも頼られることもなく、相談を受けることもない日々は、退屈です。
- 寝る間もないほどのたくさんの業務に追われる日々(最低限やるべきことが決まっている)
- 何をしても自由だけど、何かを生み出さないとつまらない日々
どちらが良い・悪いという訳ではありませんが、明らかに後者の方が良いと思う人が多いでしょう。
けれども、後者の場合、自分は社会に対して何ができるのか?を探すところから始めないといけないのは、大変です。
私の場合は、教員を退職した当時、ひたすら書店に通い、焦る気持ちを抱えながら山ほど本を読み漁ったものです。
もし、あなたが「学校の勉強に意味がない」と言うのであれば、「意味ある行動・学びとは何か」という自分なりの答えを見つけておく覚悟が必要です。
とは言っても、そもそも中高生が「学校の勉強に意味がない」と感じさせてしまうのは、指導者側の問題もあると考えています。
今は、指導者を指導する機会もあるので、この点にも触れておきましょう。
「学校の勉強は意味がない」と子ども達が思うのは指導者の問題
本来、子ども達は、未知のものを追求したいという気持ちを誰もがもっていると信じています。
そんな子ども達が「学校の勉強は意味がない」と感じるのは、大きな課題です。
子ども達がその様に感じてしまうのは、
ためです。
特に算数・数学が顕著ですが、問題を正しく解けるかどうかだけが、評価の対象になっているので、指導者は、問題が解ける様に教えることに注力しがちになります。
ところが、子ども達は、問題が解けて先生に褒められたり、丸を貰うことを本来の目標にしている訳ではないということを理解しておく必要があります。
例えば、先日は、アメリカの小学生と異分母分数の足し算について学習していました。
絵や図を描いていくと、通分する必要性に気付き、通分をしてから答えを求めることになりますが、正しく答えが求まったから終わりにしません。
と質問をしました。
もちろん、この様な質問に慣れていないうちは答えることができませんが、慣れてくるとどんどんこの様な問題にも答えることができる様になります。
この時の彼の答えも見事でした。
もちろん、彼も成長して、もっと難しい問題に出会ったり、たくさん勉強をしないといけない状況になった時には、苦しむでしょう。
でも、こうした発想をあらゆるところで生み出す経験をしていれば、自分で勉強をする意味を創造することができると思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事だって、意味ある記事なのか、無意味なのかは分からないけれど、誰か一人にでも届けばいいなぁって思っています。
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