【学校の役割を問う】学校がコロナ禍で伝えたことを見直す

コロナ禍で学校はどの様に対応したらいいのか? 当初は不明な点も多く、学校現場は大きく混乱し、当然、保護者も混乱の日々を送りました。そんな中でも、とにかく

安心・安全が第一

として、様々な工夫がされてきましたが、教育機関だからこそ大切にしないといけないことが抜け落ちてしまっていた様に感じます。それは、

CHECK

「安心・安全」を雰囲気で作っていなかったか。

ということです。教育の中では、常々「根拠をもつことが大切」と子ども達に言われますが、果たして私たち大人は、根拠をもとにコロナ対策を実施することができたでしょうか。

この点をしっかりとすることで、なぜ、勉強をする必要があるのか?も明確にすることができると思い、私が直接関わっている子ども達とは、以下に紹介することを考えてみました。その結果、勉強をする理由も明確にできたと感じています。

雰囲気ではなく、なぜか?を考えることは、大切で学習面でも大きく影響がでます。詳しくは、【賢い子どもの育て方】高校で大きく差が出る!習い事の選択より重視したいこと。の記事でも紹介しています。

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コロナ対策としてマスクの着用は意味があるのかを考える?

コロナ対策の一つとして、学校ではマスクをした方が良さそうな印象がありました。実際に、マスクを着用するよう指導を行なった学校がほとんどです。

ただ、子ども達の声を聞いてみると…

  • マスクを着用して本当に意味があるの?
  • マスクって言ってもいろいろな種類があるし、隙間ができるものだってあるけれど、それでいいの?
  • 保健の教科書には、ウィルスの大きさは、0.0001mmくらいと書かれていたけれど、マスクの目は、それ以上に細かいの?

こういった声がありました。子ども達からこうした声が挙がるということは、「学校でマスクを着用しよう!」という理由が、十分に伝わっていなかったと考えることができます。

実際に行われていた学校の指導

学校と一言で言っても、小学1年生〜高校・大学までありますから、マスク着用についての指導の仕方は、様々考えられます。上記で紹介した子ども達の声は、小学生(高学年)のものなので、様々な小学校の「保健だより」を見てみました。

割と丁寧な説明をされている学校は、東京大学医科学研究所の実験結果をもとに、内閣官房が図解をした以下のものを編集されていました。

https://corona.go.jp/proposal/pdf/mask_kouka_20201215.pdf より引用

東京大学医科学研究所が行なった実験結果をまとめると以下の通りです。

  • お互いにマスクを着用した方が、コロナ感染リスクは低くなる。
  • ただし、マスクの種類によってリスクは大きく左右する
  • N95マスクが最も感染リスクは低く、布マスクはあまり効果的ではない
  • ただし、ウィルス遺伝子は、どのマスクも通過するために、ウィルス遺伝子によって感染するのかどうかを見極めることが今後の課題である。

実際に、東京大学医科学研究所のレポートには、次の様に書かれています。

マスクを密着させて適切に着用することの重要性の理解と、マスクの防御効果への過度の信頼を控え、他の感染拡大防止措置との併用を考慮する等の感染拡大防止に向けたガイドラインの作成に役立つことが期待されます。

東京大学医科学研究所 https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00042.html より引用

こうしたレポートをもとに丁寧に解説をされた学校は意外と少ない印象を受けました。

「マスクを着用した方が良い」というイメージだけで話が進み、どんな効果が期待できるのか?リスクがあるのか?という話がされなかった為に、先に紹介した子どもの様な疑問が出てくるのでしょう。

その一歩で、コロナ3年目に入った社会では、

  • 会話をほとんど行わない場合はマスク不要
  • 大学共通テストでは、マスク着用が義務付けられる

ということもありました。

科学に基づいた判断がなされているのだろうか?と思う場面がたくさんあったために、本当の意味で賢い子どもは、様々な矛盾に悩まされたことでしょう。

学校現場の先生方も、マスク着用の有無についてかなり振り回されたのではないでしょうか。ただ、こうした場面に出会った時は、新しいことを学べるチャンスでもあると思い、私は子ども達と一緒に考えるようにしています。

「納得できない・不明である」ことをはっきりと言う大切さ

この様に、マスク着用の有無に関する混乱が起きた原因は、

  • マスクを着用すると効果が期待できるメカニズムの説明不足。
  • 不明なことをはっきりと「不明」と言わなかったこと。
  • 子ども・保護者・教員にマスク着用について判断する材料が十分に提供されなかったこと。

などだと考えられます。

ですから、私は子ども達に以下の点について説明したり、一緒に調べたりしました。

  • 布マスク・ウレタンマスクと不織布マスクの構造の違いと不織布が推奨される理由。
  • もし、ウィルス遺伝子によって感染するのであれば、マスクは無意味となるので、自分の体調管理が最も重要な感染対策となるのでは?
  • コロナはどの様にして感染するのか明確になっていないのはなぜか。

実際に、私が直接関わっている子ども達は、マスクの着用が有効なのか自分で調べたり、マスクだけに頼らず、運動を意図的にしようとしていました。

子どもであり、私も医療の専門家ではありませんから何が正解かは分かりませんが、

CHECK

雰囲気でどうするかを判断せず、自分なりに解決方法を探る。

という経験は、コロナ禍を通してできたと思います。

本当はワクチンを打ちたくないんだけど…

ワクチンの接種は、基本的に「本人の意思で決める」ということになっていましたが、子どもによっては同調圧力を感じた子もいるのが事実です。

そんな中である中学生は、

  • 生物の持つ形や性質の特徴を形質という。
  • この形質が子や孫などに伝えられることを遺伝という。
  • 遺伝する形質のもととなるものが遺伝子である。

こうしたことが教科書に書かれているので、遺伝子ワクチン(mRNA)を打つことは危険ではないか?と思ったようです。

遺伝や進化について学習した子どもは「遺伝子ワクチン」という言葉に抵抗を感じて当然だろうと思います。これは決して悪いことではありません。ここから、本当の学びをスタートさせることができます。

彼の場合は、自分は遺伝子ワクチンに抵抗があるのに、多くの友達がワクチンを打った…ということに疑問を感じてワクチンの特徴について調べていました。

中学生がコロナワクチンについて調べてみた結果

彼は自分が調べた結果を次の様に整理していました。

  • 従来のワクチンは、ウィルスの弱いものを入れて免疫を作る方法をとっていたが、コロナワクチンは、ウィルスの設計図(ウィルス遺伝子)を入れて免疫を作るものである。
  • 遺伝子を入れるからと言って、本来自分自身がもっている遺伝子と混ざるようなことは起きない。
中学生

これなら確かに問題ないと言えそうだけど、
どうしても気になることがあるんだ…。

中学生が感じたコロナワクチンについて調べて感じた違和感

彼がコロナワクチンに対して感じた違和感は、次の様なものでした。

  • そもそも、生き物が現在生き残っているということは、これまでの苦難を乗り越えてきた結果であって、必要な情報は遺伝子に残されているはず。
  • 歴史的に体内に意図的に設計図(遺伝子)を外部から大勢の人に投入したことがないから、長期的に見るとどうなるか分からないのでは?

これらは、学校で教わったことを自分なりに今の状況にあわせて解釈したもので、彼は、次の様に結論づけていました。

CHECK

命に関わるもので、分からない点があるので、ワクチンは打ちたくない。

そして、私が渡した東京大学医科学研究所の実験結果もきちんと読んでいたようで、次の様なことを言っていました。

ウィルス遺伝子は、どんなマスクも通過するのだから、意図的にワクチン注射としてウィルス遺伝子を不自然に体内に入れる必要があるのだろうか。

中学2年生の言葉

もう少し突っ込みたいところはあるものの、中学生にしてよくここまで考えることができたなぁ…と感じたものです。

学校が本当に教えるべきものは「考える」ということ

子ども達の声を聞いていると、社会に対する疑問や矛盾をふんだんに感じていることが分かります。ところが、こうした声を素直に学校で表現できる子は、極一部ではないでしょうか。

そして、今は少々複雑な問題も調べれば、答え・結論が分かる時代であり、「なぜ、そうなるのか?」を自分なりに考えてみる(間違っていても構わない)機会が激減している様に感じます。

もちろん、テストで良い結果を出すことも必要なことでしょうが、答えに辿り着く過程で、自分なりに試行錯誤してみるという経験を存分にしてほしいと思います。

繰り返しになりますが、「なぜ?」を考える習慣はとても大切です。学校の勉強だってレベルが高くなればばるほど、その過程が重要になってきます。詳しくは、【賢い子どもの育て方】高校で大きく差が出る!習い事の選択より重視したいこと。をお読みください。

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最後までお読みいただきありがとうございます。

コロナについては、「ワクチン推奨派」VS「反ワク派」の様になっている様に見られますが、それぞれが自分なりの理由をもっていて、その理由は様々であるために、一括りに見てはいけない様な気がしてならないのです。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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