一人っ子でも育児は大変なのに、二人目を生んだ方がいい理由

子どもが幼い(乳児〜幼児)と言う、若手のお父さん・お母さんと話をする機会がありました。

そんな中で多かった質問が、

子ども一人でも、毎日が必死です。
ここに二人目・三人目がいることを想像すると、大人の体力が尽きてします。それなのに、二人以上の子どもを育てて来られた方々は、「兄弟っていいものよ」と言われます。
子どもの世話をする大変さ+経済的な大変さを考えても「良さ」が分かりません。
どんなところがいいのでしょう。

兄弟・姉妹のメリット・デメリットはたくさんありますが、子どもの成長・子どもの教育にとって、兄弟・姉妹の存在は、重要であるという話をします。

  • 兄弟・姉妹は、子どもにとって、予習・復習をする機会を作ってくれる。
  • AIを使った教育プログラムの開発にも、兄弟の様な存在のアバターが用いられる。

これらについて詳しく解説します。

 

目次

兄弟・姉妹は、子どもにとって最高の予習・復習の機会を作ってくれる

人は誰でも、幼い頃に「大きな夢」をもちますが、中学生くらいになると「現実的な夢」に変わっていきます。

これは決して悪いことではありません。自分を客観的に見ることができる様になった証拠でもあります。

そうなってくると、自分にもできそうなことを目標にしながら成長して行きます。

特別凄い人に憧れるが、目標にはしにくい。

例えば、小学生には「プロサッカー選手になりたい」という子がたくさんいます。

ところが、中・高生になると「プロサッカー選手になりたい」という子は、随分減ります。

これは、

今の自分とプロサッカー選手のギャップを冷静に見ることができるため

です。この事に気付くと、目標は、もう少し身近なところに移っていきます。

  • プロの道は厳しいが、少なくとも県大会でいい成績を残したい。
  • ライバルの〇〇学校のサッカー部との試合で絶対に勝ちたい。

こんな感じです。

そして、この様な現実的な身近な目標が定まった時に、多くの子ども達は、目標に向かって夢中で行動する人が増えるのです。

つまり、

人が大きく成長するには、少し背伸びをしたら届きそうな身近な存在が必要

だということです。

 

兄や姉は、第二子にとって素晴らしい目標

兄弟の仲の良し悪しは様々ですが、いずれにしても下の子にとっては、兄や姉の存在は、身近な目標となりやすいものです。

簡単な例を挙げると、

  • お兄ちゃんは、一人で電車に乗って〇〇まで行く事ができる。
  • お姉ちゃんは、毎日、部活でかなりたくさん運動をしている。

こうしたことを日々、目の当たりにしながら生活することができます。

そして、下の子はこんなことを思うのです。

はなちゃん
はなちゃん

私も大きくなったら、自分一人で電車にのってやる!

コーヒーだって美味しい…って思える日がくるはず。

こうしたことを感じる機会が、日常に溢れているのです。

つまり、この先、自分がどの様な暮らしをするのか、知らず知らずのうちに予習をすることができるために、「次男・次女は、要領がいい」とよく言われるのです。

金田ママ
金田ママ

じゃあ、上の子は予習できないし、損じゃないの?

弟や妹は、復習をする機会を与えてくれる

一方で、第一子(上の子)にとっては、弟・妹の存在は、復習をする機会を作ってくれるものとなります。

  • そういえば、小学生の頃は、包丁を使うのが怖かったなぁ。
  • 私が、保育園に通っている頃は、靴を履かせて貰っていたなぁ。

こうしたことを感じる機会が多いので、第一子(上の子)は、一般的に面倒見が良い・リーダーシップ性が強いと言われるのです。

兄弟・姉妹がいる全ての子がこれに該当するとは限りませんが、

兄弟・姉妹は予習・復習をする機会を自然に作ってくれる

ということです。こうした機会にたくさん触れることで、子どもはより具体的な夢をもつようになるのです。

 

異年齢で遊ぶことは、本当は大切なこと

最近は、公園などで、様々な年齢の子ども達が群がって遊んでいる風景を見る機会が随分減ってしまいました。

本記事で触れているように、兄弟・姉妹から学べることを考えてみると、無気力な子ども達が増えている要因の一つに、異年齢で集まって遊ぶ機会の減少も影響しているのではないでしょうか。

やる気や根気に関しては、以下の記事をご覧ください。

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AIやタブレットを活用した学習にも兄弟・姉妹の存在が活かされる

最近では、AIを搭載した学習プログラムやタブレット学習が随分行われるようになりました。

ここで、考えるべきことは、

誰が見ても分かりやすい解説・授業は、子どもの学力UPにつながるか?

ということです。私は、学校現場にいる頃、数え切れないほどの授業を行い、見てきましたが、これだけは確かに言えます。

分かりやすい授業をする ≠ 子ども学力UP
当然、分かりやすい授業・考えさせる授業をすることは大切ですが、これさえ満たせば、子どもの学力がUPするという訳ではないという意味です。

こう言い切れるのは、先生と子どもの人間関係によっても学力は大きく変わるということをたくさん目の当たりにしてきたためです。

つまり、AI学習やタブレット学習が一般的に普及し、素晴らしいコンテンツが作成されたとしても、それでは、不十分だということです。

ですから、こうした教育プログラムの開発には、

バーチャルアバターを活用した方が教育効果が高いのではないか?

こうした仮説が立てられ、様々な形で研究が進められているのが現状です。

 

人は人と共に群れを作って生きてきた

AI学習やタブレット学習で、

バーチャルアバターを活用した方が教育効果が高いのではないか?

という仮説が考えられるのも、そもそも人は、古くから多くの人と群れを成して生き延びてきた動物ですから、身近な存在を重視するという本能をもっています

ですから、いくらAI学習やタブレット学習のコンテンツが充実しても、その一歩先には、「人が感じられる要素」を盛り込む必要があると考えて当然なのです。

現代は、経済的・時間的な制限によって、一人っ子の子が増えてきていますが、自然と多くのことを学んだり、感じたりするには、兄弟・姉妹の存在が重要なのです。

便利なタブレット学習ですが、まだまだ教育の分野では課題が山積みです。

人としてのこれまでの暮らし方を丁寧にみると、【脳への影響】タブレット学習はデメリット大!という理由の様なことも言えます。

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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

兄弟・姉妹って、意見が食い違って、邪魔に感じることも多いですが、そんな中でどう調整をするのかを考えさせてくれる機会にもなったなぁ…と思うのです。

今、漫画に出てくる様な、コテコテの「お金持ち」「一人っ子」「何でも買ってもらえる」という子とも関わっていますが、ホントにワガママです。

ちょっと兄弟の様な役割も演じる必要があるなぁ…と思いながら、その子と接しています。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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