学校や先生に言いたいことがある時【苦情を伝える手順とコツ】

教育に「完璧」ということはありません。

どんなに素晴らしい担任の先生に恵まれても、素晴らしいと評判の学校に通っていても、保護者であれば、言いたいことが出てきます。

例えば、

  • 担任の先生の指導の仕方が理解できない。(厳しすぎる・甘すぎるなど…)
  • 山田くんはみんなから嫌われているようだけど、それっていじめじゃないの?
  • 明日、急に新聞紙がいると言われても…うちは新聞をとってないのだけど。
  • 提出物を期限より早く出したら受け取って貰えないってどういうこと?

本当は、いろいろ思うことがあるけれど、あまり細かいことを言うと「あいつはモンスターだ」なんて言われないだろうか?と心配になるという声もよく聞きます。

実際、ちょっとしたことならグッと我慢するという方もとても多いのではないでしょうか。

ところが、保護者同士が集まれば、学校の気になるところをお互いに存分に語って、ストレス発散の様にされている方もいらっしゃいますが…

CHECK!

冷静に一つの意見として学校に伝えてくれると、学校としては嬉しい

というのも事実です。

そこで、今回は、保護者として学校に対して意見・クレームがある時にどの様に伝えればいいのか、教師として私がしていたことも含めて解説します。

目次

教師(担任)からすれば保護者の存在は怖いから対策をする

先に担任として、どの様にして保護者と接してきたのか紹介します。

実は、ビビリの私(担任)からすれば保護者の存在は怖いために、どの様に保護者と関係を築くかは、特に異動をした初年度は最重要課題でした

敢えてこんな話をするのは、教師がどの様にして保護者と関係を築こうとしているのかを知っていただくことで、保護者が担任とよりよい関係を築くヒントにもなると思うからです。

情報は先に伝わったものが最大の力をもつ

4月になると、保護者は、自分の子どもの担任が誰か?非常に気になるものです。

ところが、別の学校から異動してきた者が担任となれば、情報が少ないために、不安を感じるものです。

この段階で、些細なことでもマイナス要因が先に広まってしまうと後が大変です。

それは、

情報は先に伝わったものが最大の力をもつ

という大原則があるためです。

金田ママ

そんなことないでしょ。
何よりも正しい情報が大事じゃないの?

と思われる方も多いですが、芸能人の色恋のうわさはどうでしょうか。

本当かどうかが不確実であっても、男女二人で一緒に歩いていただけでも「結婚するのではないか?」などと噂になるくらい、最初の情報は力をもっているのです。

と、いうことは、別の学校から異動したての私は、まず最初に、いい印象を与える必要があるということで、

担任発表から3日以内に全ての子どもの家庭訪問を完了

させました。

もちろん、学校全体で定められている家庭訪問週間というのは、5月に予定されていましたが、それでは、遅すぎるのです。

かと言って、「家庭訪問に行きます」なんて宣言すると、保護者の方が時間を工面することになりますから、適当な口実を作って、フラッと立ち寄ったという形にしました。

しぶやん

今年度、移動してきたばかりですが担任をすることになりました。
昨年度、子ども達はいろいろな大変な想いをしたと伺っています。
ですから、些細なことでも、話を聞かせてもらいながら、1年間やっていきたいと思います。また、ゆっくりとお話し聞かせてくださいね。

たったこの程度の挨拶をしに行っただけですが…

主婦

先生、わざわざ来てくれたの?
去年は本当大変な一年になってしまったけれど、今年は心機一転、頑張るように娘にも伝えておくわ。ありがとうね。
こちらこそよろしくお願いします。

34人の学級でしたが、半数以上の家庭は暖かい言葉をかけてくれました。

先に良い印象を与えることができると後が楽しい

まずまず、好印象で保護者と関係が作れた後は、随分、気持ちが楽になりました。

主婦

先生、娘も最近は学校が楽しいという様になりました。
ほんと良かったです。
でも、厳しくするところはビシッと厳しくしてくださいね。
どんなことがあっても、私も絶対フォローしますから。

こう言っていただける保護者の方がたくさんいらっしゃったおかげで、自由に授業をし、休日のイベントなんかも自由に計画することができたのです。

どれだけ自由に学校を楽しんだのかは、【実例】学校長が変わるだけでも学校は大きく変わるで紹介しています。

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私の場合は、保護者との関係を築くことも仕事ですから、ここまで徹底することができましたが、保護者からすれば、担任の先生と関係を築くことは仕事ではありません

ですが、

CHECK

保護者として先に担任に良い印象を与えておくと、うまくいく可能性がかなり高まる

ということです。

具体的にその方法を紹介します。

学校に言いたいことがある・苦情があるという時にすべき行動

先に触れた様に、保護者から学校・担任に対して言いたいことがあるからと言って、人間関係が希薄な状態で、いきなり言いたいことを言うのは得策ではありません

門苦田さん

俺は、学校の先生にどう思われようが構わない。

こういうタイプの方は、何も気にする必要はありませんが、やはり、伝えたことを的確に受け止めて、よりよい対応をして欲しいと思うのであれば、ほんの少しばかり、学校や担任に対して配慮した方が、圧倒的に得策です。

具体的にどう行動するのが良いのかも解説しましょう。

保護者と担任も「人と人」である

そもそも、担任も保護者も人間です。

担任は仕事として、子ども達の保護者と接していますが、いくら仕事とは言え、話すのが楽しいと感じる保護者もいれば、面倒だなぁと感じる保護者もいます。

あなたが日々、仕事をしながら感じる感情と同じです。

ですから、

初めて話をする時には、明るく楽しい前向きな話をすること

をお勧めします。

だいたい、担任が改めて誰かに話があると言われた時には、よくない話のことの方が多いので、敢えて、プラスの話を聞かせていただくと、めっちゃくちゃ嬉しい気持ちになれます

最初に、好印象を与えることができたら、後に少々面倒なことを言われても、あの〇〇さんが、そこまで言われるのだから…と思うものです。

理屈で攻撃しても人は変わらない【勝ち負けは意識しない】

担任や学校に対して「言いたいことを言おう!」と決められた方の中には、相当な気合いを入れて学校に来られます。

例え、口論になったとしても、「言い負かせてやる!」という様なオーラがガンガンに出ている方もいらっしゃいますが、担任としては、勝ち負けを決めたい訳ではありません

子どものことで何か問題があったり、担任として至らない事があれば、改善策を考えたいと思っていますから、気楽に相談をするという気持ちで話をするのがベストです。

言いたいことは一つに絞る・多い場合は回数を増やす

大抵の場合、保護者が言いたいことを、学校や担任は丁寧に聞こうとします。

そうなると、ついつい「あれもこれも」と言いたいことが思い浮かんでしまうこともあります。

そのまま、あれもこれも話をしてしまうと、

結局一番伝えたかったことは何か?

と言う状態に陥ってしまうこともありますので、伝えたい事を一つに絞ることをお勧めします。

複数言いたいことがある場合は、また別の機会に改めて話をした方が確実に伝わります

どんな風に公立小中学校の担任は話を聞くのか…具体的には、【実例】公立小中学校はモンスターペアレントにも丁寧に対応する理由の記事をお読みください。

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金田ママ

そうは言っても、全ての先生がちゃんと話を理解してくれるとは限らないよね。そういう時はどうしたらいいの?

教育委員会に言いたいことを言っても大丈夫【別に大ごとではない】

担任に冷静に意見を伝えたつもりでも、全く理解されないということも時にはあるものです。

そんな時には、

  • 校長先生に話があると言う。
  • 校長先生でも話が理解されないと感じれば教育委員会(学校指導課)に電話する。

ことで理解が得られるようになります。

金田ママ

そ、そんな…。
教育委員会に相談するなんて、何だか大袈裟よ。
私は、別に事を大きくしたい訳じゃないの。

教育委員会に相談するというと、「事を大きくする様で抵抗がある」と言われることもありますが、教育委員会に相談したところで、必要以上に事が大きくなることはありません

それは、

CHECK

教育委員会(学校指導課)の人も学校の先生

であることがほとんどだからです。

つまり、教育委員会の人も数年前は学校現場で担任として仕事をしていた方で、保護者がどんな想いで日々過ごしているのか? 現場はどの様な状態に陥りやすいか?をよく理解しています。

教育委員会に意見・相談として連絡をとると…

学校指導課の人

保護者の方から〇〇のことで悩んでいると連絡がありました。
一度、私もそちらに伺いますから、校長先生と担任の先生と私の3人で今後どうすべきか考えましょう。

と、学校にアプローチをしてくれます。

基本はどんな立場の人であっても、

子どもがこれからよりよくなるためにできることを考えようという意識

があるということです。

学校は、人と人との関係で成り立っている場ですから、保護者であれ、担任であっても誠意をもって丁寧に接すれば、意見を言ったり、時には苦情を言ったりしても関係がこじれることはありません。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

思い切りたくさん言いたいことを言うなぁ…という保護者もいらっしゃいましたが、そういう保護者とは、子どもが卒業した後でも、仲良くさせてもらっています。

「言いたいことを言う」ことは決して悪いことではなく、どの様に言うのかが、一番重要じゃないかなぁって思います。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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