元気なのに不登校!逃げ癖がつかないか心配【元教員の対応策】

もともと教員をしていたということで、時々、

子どもが不登校になりました。
これから、どうしたらいいですか?

こんな相談をされることがあります。

これに対する絶対的な答えって、もちろんありません。

けれども、これまでたくさんのご家族、子どもと関わってきて大切だなぁ…と思う点はいくつかあるので紹介しておきましょう。

結 論

親が子どもに失敗させる勇気をもとう!
OLちゃん
OLちゃん

えっ?
どうしたらいいの?って相談に来ているのに…。

失敗させるってどういうことなの?

 

目次

元気なのに不登校!逃げ癖がつかないか心配です。

 

先日もこんな相談がありました。

中学生の頃からスポーツを頑張り、全国大会に出場し、様々な高校から「ぜひ、うちに来て欲しい」とオファーがあり、高校進学をしたみかちゃん(仮)。

部活を頑張ると言って、家から遠いけれども毎朝五時に起床して1年半高校に通ったみかちゃんが突然、高校に行かなくなったんです。理由は、部活のことみたいなんですが、質問するだけで凄く辛そうな顔をするんです。
このまま、欠席が続くと高校中退になってしまいます。どうしたらいいですか?
逃げグセがつかないかも心配なんです。

とても深刻な話で、相談に来られていたお母さんは、涙を流していらっしゃいました。

 

みかちゃんに高校を卒業する大切さを伝えるとどう感じるか?

では、仮にみかちゃんに一般的なことを伝えるとどうなるか考えてみましょう。

月並みなことをいうとこうなるでしょう。

  • 高校くらいは卒業しないと就職すらできない。
  • 就職ができなかったら、どうやって生きていくの?
  • せっかく行った高校なんだから最後までやり遂げなさい。

こんな話でもしながら、求人募集の条件の部分を見せれば、まぁまぁの説得力が得られます。

ところが、問題はここからです。

みかちゃんは、高校をなんとか卒業し、就職できたとしましょう。そうすれば、安泰な人生が送れるでしょうかということも考えておきたいのです。

就職先でいろんな問題に出会い、もう辞めよう…なんて思うことにも必ず遭遇するでしょう。

そんな時に、みかちゃんはどう感じるでしょうか?

楽子ちゃん
みかちゃん

みんなが高校や大学くらい出ないと生きていけない!って言ったから行ったのに…。何もいいことないじゃないの。

こうなってしまうことは、誰もが避けたいものです。

では、どうすればいいでのしょうか。

 

自分自身で今後どうするかを決めるチャンスだと考える

不登校などの大きな問題に遭遇した時には、

決断をするチャンスだと捉えることが大切

です。とても簡単な例で説明します。

例えば、家族でレストランに食事に行ったとします。

みかちゃんは、カレーにしようか、初挑戦のかにみそ丼にしようか迷っています。

そしてみかちゃんは、自分でかにみそ丼を注文しました。

ところが、かにみそ丼が、自分の口にあわなかった時、誰かのせいにすることができるでしょうか。

  • 自分で決めたことだから誰かのせいにできない。
  • 誰かの指示にしたがってしたことなら誰かのせいにしたくなる。

簡単で当たり前の話ですが、このことを承知して、生活をすることは難しいです。

実は、子どもに些細な判断もさせない親も教師も多いのが現状です。

例えばこんな感じ。

  • 「かにみそ」なんてまだ早いわ。やめておきなさい。
  • 虫ばっかり採って、何の勉強になるの。やめておきなさい。
  • 今日は塾があるから遊びに行ってはダメよ。

こうした言葉をかけたからと言って、急に子どもに大きな変化が起きることはありません。

けれども、この様なことが日常的に多くなると、子どもは

どうしたらいいかは、先生や親が決めてくれる

ということを学んでしまうのです。

先日、ある中学生がこんなことを言っていました。

僕は今まで、学校や塾がやりなさいと言ってきたことばかりやってきました。だから突然、「もし、自由な時間とお金があったら行きたいところはどこ?」なんて聞かれると困ります。別に何かしたいことがあるわけではありません。

(ある進学中学校の生徒の言葉)

嘘のように感じる人もいると思いますが、本当の話です。

自分で物事を決める習慣の大切さを感じた瞬間です。

 

【具体策】子どもが不登校になってしまったらどうするのか?

不登校の問題は、簡単に解決することはできませんが、

  • 不登校になりにくい子どもに育てる方法
  • 不登校から立ち直るまでの考え方

に分けて解説します。

また、不登校とゲームやスマホとも深い関係があります。

これらの付き合い方が気になる方は、不登校の子どもがゲームに逃げる本当の理由と改善策も参考にしてください。

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不登校になりにくい子どもに育てる方法

人は誰かに認められることを渇望する生き物

であるということは、心理学でもよく言われますが、そんな学術的なことを意識しなくても、あなたも「認められたい」と思ったことは何度もあるはずです。

ということは、子どもが何か行動をしようとする前に、結果を予測して、

  • 〇〇をしてはダメ。
  • 〇〇は辞めておきなさい。
  • 〇〇を先にしておきなさい。

となどの指示を出さないことです。

大人から見て、「失敗するだろうなぁ」と思ったことも、自分で決めて失敗させる経験をたくさん積むことが大切です。

特に年齢が低い時期に自分で決める経験をたくさんしておくべきです。

けれども、大人は好都合なもので、言うことを素直に聞いてくれやすい時期に、散々、子どもに指示を出します。

そして、中学生くらいになると…

金田ママ
金田ママ

もう中学生でしょ。

今、何をすべきか自分で考えなさい。

になるわけです。そして、子どもは自分なりに考えて、こう決めたにも関わらず…

マナブくん
マナブくん

よし!じゃあ、今からゲームをして9時から学校の宿題をしよう。

金田ママ
金田ママ

また、ゲームばかりして、どういうつもり!いい加減にしなさい!

学校の宿題はいつするの?晩御飯はいつ食べるの?

となってしまいます。

これでは、子どもの考えたことが認められる場面が極めて少なくなってしまいます

そして、認められる機会が少ない子どもは、自分に自信をなくしていきますから不登校になりやすいのです。

少なくとも、年齢が低い時期に、自分で決めるという経験が少なかった子どもに適切な判断を求めることは無茶であるということを大人が理解しておく必要があります。

 

不登校になってしまった後、立ち直るまでの方法

まず、「立ち直る」とはどういう状況をさすのか考える必要があります。

  • 登校できる状態になる
  • 登校をしないと決めて、何か別のことを真剣にする

どちらでも良いと思いますが、本人と親との間で意見が食い違っていると、解決方向には向かいません。

ただ、確実に言えることは、

1〜2年間くらい、不登校になったところで人生に絶望する必要はない。

ということです。これまでにもたくさんの不登校の子どもにも出会ってきましたが、社会人となって活躍している子もたくさんいます。

重要なポイントは、2つ。

  • 空いた時間に自分で何をするかを決める。
  • 決められた仕事・任務を必ず果たす。

この2つは完全に矛盾しますが、このバランスで社会生活が成り立っています。

不登校になった場合、かなり自由に使える時間があるために、この2つのことを行うことは十分可能です。

年齢や状況にもよりますが、少なくとも家事はできるはずです。

小学校高学年〜中学生くらいであれば、「洗濯・夕飯の支度・掃除」は最低限するべきです。

中には厳しいと言われる保護者もいましたが、この様なことをして、誰かに喜んで貰えるという感覚を取り戻す必要があるためです。

冒頭に紹介した高校生の場合は、学校が嫌なだけで、人が嫌いという状態ではなかったために、毎日4〜5時間程度のアルバイトに行く様にしてもらいました。

アルバイトを始めて半年ほど経過した頃に、こんな話をしてくれました。

アルバイトでちょっとくらいは稼げるけれど、このままでは全然、自立できないわ。誰でもできる仕事じゃなくて、私だからできる仕事をしたいから、やっぱり勉強するわ。通信制の高校もあるし、そこで頑張るわ。

(不登校になった高校生の話)

まだまだ、道のりは長いですが、自分で学ぶと決めることができたので、これからの苦難も乗り越えていけると信じています。

 

子どもが家事を手伝うことで、かなり大きなメリットが得られます。詳しくは、仕事と子育てを両立させるコツ【親が頑張らないこと】をお読みください。

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【不登校は怖くない】私自身の経験から。

 

例えば、僕の息子も中学3年生の春になるまでは、中学を卒業して農業をするから高校にいく必要がない。と言っていました。

周りの親戚の方々は、せめて高校くらいは出ておかないと…と言われていましたが、中学を卒業して、すぐに高校にいかなければならないって規則はありません。

1年でも、2年遅れてでも、自分が心から高校に行きたいと思った時に進学した方が、ずっと価値あるものになりますから、自分で決めたらいいと伝えてきました。

 

現実はそうじゃない!って言われますが、何とかなっています。

こんな話をすると、それは理想論であって現実はそうじゃない!って言われます。

けれど、私自身の経験で言えば、

大学在籍中に出版関係の仕事に入り浸り、大学生なのかサラリーマンなのか分からないような生活を送りました。

不登校ではありませんが、お金がなかったので働かないといけない環境でした。

その結果、留年しまくり(8年間大学にいました)でやっと思いで卒業をし、悲惨な履歴書で教員採用試験を受けましたが、すぐに教員採用試験は合格しました。

当時は、教員もまぁまぁ人気の仕事で競争率は10倍以上でした。

その後、教員を辞めてフリーとして仕事をしていますが、出身大学や資格などを質問されることなんて滅多にありません。

もちろん、留年しまくったことや教員を辞めたことを恥ずかしいとか、逃げ出した…なんて思ったことはありません。

ということは、

過去にどの様な生き方をしてきたか?よりも今をどう生きているかが重視される時代になった。

といえそうです。

それでも結構、幸せに生きています。

一旦、職を手放して、めちゃくちゃ困ったからこそ、ここまで来れたのだと思います。

だから、子どもが元気なのに不登校になった!というのであれば、その後、どうするのか本人が真剣に考えて決めたらいいと思います。

ひどい言い方になるかもしれませんが、

  • 親や周りの大人が言う通りに生きても、幸せが持続することはありません
  • 自分で道を選択しても、失敗するものです。

でも、結局失敗するのですから、自分で道を選択して、失敗は経験として蓄積した方がめちゃくちゃお得だと思うのです。

 

まとめ

そういえば、有名な植松努さんのスピーチの中にも、「逃げるのも大切」という話が出てきていました。

逃げなさい!ではなく、逃げるのか・逃げずに耐えるのか?これを子ども自身が決めるって経験を積むことがとても大切だと思います。

自分の子どもが真剣に考えて選択した道で、失敗しても応援してあげられる人でありたいなぁ…って思います。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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