小・中学生であっても、現代の子ども達は、大人並みに忙しい日々を送っています。
そのためか、
- 子どもがちょっとしたことで怒る。
- すぐに疲れたと言い出だす・集中力が持続しない。
- 朝、なかなか起きられない。
- 友達関係が悪く、学校に行く事がストレスだと言う。
こうした悩みを聞くことが増えてきました。
こんな中学生の問題は
ことで大きく改善します。
実際に、私が小学校6年生の学級担任をしている時には、クラスの子ども達のほとんどは、早々と就寝する生活をしてもらいました。
過去に学級崩壊をしていたクラスですが、
- クラスの状態はとても落ち着いた。
- 学力はかなり高くなった。
この様に大きく変化しました。
そこで今回は、
ということをお伝えします。
でもね、塾の宿題がめちゃくちゃ多いの?
そんな時はどうしたらいいの?
宿題も大事ですが、
睡眠が子ども達の学力にとってもどれだけ大事か説明します。
【参考】小・中学生はどのくらい睡眠をとっているのか?
まず、一般的な小・中学生がどのくらい睡眠をとっているのか紹介します。
けれども重要なのは、平均程度の睡眠時間をとっていると良いという訳ではありません。
人間の体は人それぞれ違いますから、睡眠時間も個々に違って当然と見るべきです。
ベネッセ教育総合研究所の資料は次の通りです。
ちなみに私の息子は、中学2年生ですが9時間〜10時間は睡眠しています。
どうやら本人に言わせると、その位寝た方が調子が良いらしいですから、周りの人よりもたくさん睡眠が必要な人だということが分かります。
つまり、
- たくさん寝た方が調子がいいタイプなのか?
- 短時間の睡眠の方が調子がいいタイプなのか?
ざっくりと把握するために紹介したに過ぎないという理解が大切です。
【衝撃】睡眠時間が短い子どもの多いクラスの実態
ある小学校の授業を拝見した時のことを鮮明に覚えています。
その小学校の子ども達の多くは、難関中学校を受験する子がとても多いとのことでした。
活発で楽しく、知的な授業が拝見できると思っていたのですが、結果は正反対でした。
- 子ども達の目はうつろで、挙手をする子は皆無。
- 静まりかっえった教室で淡々と授業が進む。
- 中には寝ている子どもいる。
「子どもらしさが感じられる場所」なんてことは、お世辞でも言えませんでした。
体力的な面も気になったので、運動会にも足を運びましたが、一般的な公立小学校の運動会の活気とは雲泥の差でした。
- 怪我をしていないのに「疲れた」「しんどい」と言って救護に行く子どもが多い。
- 肥満体型の子どもの割合がかなり高い。
- 活気がなく、淡々と競技をこなしている。
体力的な面を見ても、大きな課題があると感じた瞬間でした。
小学生とは言え、高学年にもなると、多くの子は塾に通い、たくさんの塾の宿題をこなさないといけないために、就寝時刻が0時頃になる子が多いとのことでした。
それだけ、子ども達は頑張っているにも関わらず、成績は今ひとつ振るわないのはなぜか?
こういった質問もいただきました。
なぜ、人間は睡眠が必要なのか?【受験生も睡眠が必要】
小中学生に限らず、なぜ、人間には睡眠が必要なのか?
一言で言えば、「休息が必要だから」ということになりますが、なぜ、休息が必要なのか考える必要があります。
これには、様々な理由が考えられていますが、
ためです。詳しく解説します。
人は活動している時にめちゃくちゃたくさんの事を考えている
誰でも、生活をしながら様々なことを考えています。
小・中学生の場合で言えば、
- どうしたらもっと遊ぶ時間が作れるだろう。
- 学校の宿題をしないといけないけれど、遊びたいし後回しにしよう。
- 友達と遊びたいけど、今日ちょっと嫌なことを言われたし、どうしよう。
- 新しい〇〇が欲しいけど、小遣いが全然足りない。など
次から次へといろいろなことを考えています。
しかも、自分の考えられる範囲のことをフル活用して理論的に…。
ところが、人間が活動中に考えることは、それなりの理論をもとに思考されていますが、すぐに整理することはできません。
どの位様々なことを考えているかは、今、1分のタイマーをセットして、目を閉じてみると分かります。
「何も考えない」ということができないくらい、多くのことを考えていることが実感できます。
つまり、人は活動中に、
- 理論的(社会的ルール・環境などを考慮して)に思考している。
- 思考そのものは理論的だけど、考えている事が多く、整理しきれていない。
という状態になっているのです。
これをどこかの段階で、シャッフルをして整理しないと次の機会に利用しにくくなるのです。
睡眠は撮影した写真データをカテゴリー別に整理するようなもの
睡眠に関する謎は、まだまだ解明されていないことも多いのですが、スマホで撮影した写真データーで例えると理解しやすいです。
うわぁ…綺麗な虹だ。
ちょっと写真撮っておこうっと。
このお店のお料理とってもかわいい。
写真撮っておこうっと。
そのうちに、スマホの中には写真がたくさん溜まっていきます。
この状態では、「あの写真を使おう!」と思ってもなかなか取り出すことができません。
ですから、マメな方は、隙間時間にファイルの整理をされています。
という感じがとらえやすいと思います。
綺麗なものを見つけて一生懸命写真を撮り続けるだけでは、素晴らしいカメラマンにもインスタグラマーにもなれないでしょう。
ニーズにあわせて必要な写真データがさっと取り出せる状態にする必要があります。
子ども達の勉強もインプットをひたすらしたら良い訳ではありません。
必ず、整理をする時間(隙間時間)が必要なのです。
そして、もう一つ重要なことは、
ということ。
人は必要だから眠くなり、目が覚める
当たり前ですが、人が眠くなったり、目が覚めるのは、それぞれの目的があるためです。
あなたも、
- たくさん頭を使った日
- たくさん肉体を使った日
には、早い時刻に眠くなるはずで、身体が休息を求めているということです。
そして、十分な休息が終われば、自然と目が覚めます。
現代は、仕事や学校の都合で、なかなか自然と目が覚めるまで睡眠をとるということができませんが、本来は、自然と目が覚めるまで寝る必要があるのです。
眠い目を無理やりこすり、辛い思いをして起床しているのであれば、休息(脳内の整理も含めて)が十分完了していないということになります。
こう言った話を、多くの小・中学生、その保護者の方と話をしていると、
と言われることも多々ありますが、どうすればいいのでしょう。
【超簡単】しっかりと睡眠をとる方法
夜10時には、眠くて仕方がないという状態を作るのは簡単です。
です。その証拠に、子ども達を野外活動に連れていけば、夜10時には、ほとんどの子どもがぐっすりと就寝します。
「家では、全然早く寝ない」という子どもも…。
頭や肉体の疲労を回復させる行為が睡眠ですから、当然のことです。
反対に、小・中学生で夜11時を超えても全然眠たくならないのであれば、
- 昼間の活動量が少ない。
- 体内のリズムが狂っている。
- 特別な要素があり、頭や身体が覚醒してしまっている。
ということになりますから、これらの原因を取り除く必要があります。
順に解説をしていきます。
しっかりと睡眠をとるために昼間の活動量を増やす。
単純な話です。
ということ。
ところが、簡単な様ですが、便利な現代社会では、これもなかなか難しくなってきています。
けれど便利なものの利用を省けば、生活の中でも自然と運動量を増やすことができます。
- 駅や塾などの送迎をやめる。
- 家事を手伝うようにさせる。
- 難しいですが、テレビ・スマホの利用を減らす・やめる。
冒頭で触れた、
私が小学校6年生の学級担任をしている時には、クラスの子ども達のほとんどは、早々と就寝する生活をしてもらいました。
というのは、朝の始業前・昼休み・放課後にクラスの子ども達を集めて、筋トレ・ランニングをしていたために、子ども達は、早々と就寝していたのです。
実は、修学旅行に行った時も夜9時からランニングをしましたので、十時半には全員、ぐっすりと眠っていました。
体内のリズム(体内時計)を調整してしっかりと睡眠する
しっかりと眠れない・昼夜逆転しまったという話が出ると、決まって「体内時計の調整をしよう」という話が出てきます。
ところが、現代社会を生きる私たちは、体内時計を意識する機会がほとんどありません。
それは、物心がついた時から、時計の時間を意識して暮らしているためです。
- 7時半になったよ。登校しなさい。
- 19時から塾でしょ。18時には帰ってきなさい。
- もう11時よ。いい加減に寝なさい。
自分の身体のリズムに耳を傾けた経験が少ないのに、調整をするのは困難です。
ですから、子どもの場合は、幼児期に時計を使わない暮らしをすることが本当は重要なのですが、なかなか現実的ではありません。
そこで、小・中学生なら、
- ゴールデンウィーク・夏休み・冬休みなどに時計を使わない暮らしを数日する。
- 山や海にキャンプに行く。
時計がないとなれば、太陽の動きか身体の声を聞くしか、時刻を判断する材料がないために、体内時計は一気にリセットすることが可能になります。
大人はさておき、子どもの場合は、もちろんスマホを置いて出かけなくてはいけません。
私たち人間は自然と長く付き合ってきましたから、自然と上手に付き合うことで、いろいろな調整をすることができます。
自然の仕組みの素晴らしさは、兄弟喧嘩にうんざり?これを知れば兄弟の子育てが楽しめるの記事でも楽しめます。
スマホやテレビは睡眠の邪魔
スマホやテレビの刺激は私たちにとってかなり強い刺激です。
人類の歴史をさかのぼっても、スマホやテレビなどのような強い刺激が長時間浴びる暮らしを経験していません。
つまり、
と考えるのが妥当で、近年の小・中学生を見ているとこの影響は既に悪い方向に出てしまっていると感じます。
もちろん、睡眠についても悪影響は明らかにされていますから、子どもはもちろん、親も子どもが就寝する前には、一旦スマホを置きたいものです。
スマホやテレビなどの強い刺激は、脳にどの様な影響を与えるのか?詳しくは、根気強くなるには意思や訓練が重要?脳内の仕組みを解説の記事を参考にしてください。
まとめ 小・中学生はしっかりと寝るべき!
私たちが眠くなるのは、睡眠が必要だからです。
この自然の原理に逆らって、生きられるほど人間は強くありません。
ベストなパフォーマンスを出したいのであれば、しっかりと睡眠をとるべきです。
- 睡眠不足の子ども達は、活気が感じられない。
- 睡眠不足の子どもが多い学級は、肥満傾向の子どもがかなり多い。
- 睡眠時は、身体の休息と同時に、思考の整理も行なっている。
- 「眠れない」子どもはいない→活動量を増やせば必ず眠くなる。
- 自然に近い暮らしをすることで、体内リズムは整う。
睡眠の大切を感じていただけたら嬉しいです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
たまには無茶が必要なこともありますが、無茶が続けば身体が悲鳴をあげます。
この悲鳴に早く気づくことができるようにするためにも、自然に近い暮らしをする時間を時には設けて、身体の声を聞くことは、子どもも大人も必要だと思います。
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