子どもがスマホに依存して困ります【自己管理できる様にした具体策】

「子どもがスマホばかり触って全く勉強しない」それどころか、トイレにもスマホを持ち込み、暇さえあれば、オンラインゲームやLINEなんかばかりしています。
金田ママ
金田ママ

超売れっ子の営業マンかよ!なんて言いたくなります。

こうした悩みは、私が担任する学級の懇談会でも常に話題となっていました。

また、残念ながら、我が家でも息子たちがスマホに没頭するという時期があり、悩まされたものです。

そこで、学級担任として子ども達と関わったり、自分の息子たちの様子を見てきた経験を踏まえて、

スマホと子どもの関係を適切にするアイディア

を紹介します。

この段階では、ちょっと荒っぽい結論になりますが、

親と子どもの関係を適切にすれば、スマホと子どもの関係も適切になる

ということです。これでは、なかなかピンっと来ないと思いますが、我が家の場合は、問題を解決することができました。

どういうことか詳しく解説します。

 

目次

子どもがスマホを利用したい理由【小学5・6年生に聞いてみた】

小学校5・6年生の子ども達、約80人にスマホを使いたい理由を訊ねたことがあります。

  • 勉強で分からないことがあればすぐに調べることができる。
  • 時代の流れをつかむことができる。
  • LINEなどを使って友達と仲良くなれる。
  • YouTubeを見て楽しむことができる。
  • 塾の帰りなど、帰宅が遅くなる時も安心。
  • 無料でゲームを楽しめる。
  • 公園に行かなくても友達とオンラインで遊べる(時間の節約)
  • 友達との話題に困らない。スマホがないと話題に困る。など…

子どもたちは、スマホがあるからこそたくさんのことができると感じているようです。

もちろん、スマホだからこそできることもありますが、工夫次第では、スマホがなくてもできることも多く含まれているということには、気づいていないようでした。

主婦
主婦

勉強で分からないことがあれば調べられるって言うけれど、そんなことをするのは、利用時間の5%もない様な気がするわ。

だから思い切って制限をかけてみようかなぁと思ったことがあるけれど、ちょっと気になることもあるの。

 

子どものスマホを解約・禁止という対応はしたくない大人の考え

大人からすれば、スマホ持たせる時に決めたルールを守って利用すべきだ!という思いもあるはずです。

だから、アプリを入れて強制的に利用時間を制限するという対策をとられている方もたくさん見られます。

主婦
主婦

でも、そんな無理なコントロールをしても子どもは育たない様な気がするけどなぁ…。

なお、自分からスマホを置いて、使い方を自己管理した高校生の事例は、受験勉強の開始はいつから?【遅すぎた高校生の返り咲き事例】で紹介しています。

 

子どものスマホの利用をアプリなどで管理しても意味がないという考え

子どもが自由にスマホを使えないようにするアプリは様々あります。

基本的には大きく分けて2つのタイプ。

  • 利用時間を制限するタイプ
  • 有害情報に触れられない様にアクセスを制限するタイプ

これらの機能をもったアプリを活用するのも有効ですが、その一方で、次のような考え方をされる方もいます。

強制的に管理したところで、自己管理能力は育たない。一番大切なのは、自由にスマホが使える環境であっても、自分で利用の仕方をコントロールできるようになること

という考え方です。

 

正直言うと、「子どもと揉めることが嫌だ」という大人も多い

また、子どもと揉めることが嫌なため、スマホの利用方法について、子どもに言いにくいと言われる方も意外と多いものです。

  • 〇〇を頑張ったらスマホを買うという約束をして、本当に子どもは頑張りました。それなのに利用の仕方が悪いからと言って、制限を加えると反発されそうです。
  • スマホを利用する様になってから学校の友達と上手く付き合える様になりました。だから、ここでスマホの利用に制限を加えると友達関係が崩れそうで怖いです。
  • 実はスマホを取り上げたことがありますが、大きく反発されました。「何も分かってくれていない」と家で暴れ、「それなら学校に行かない」とまで言われました

スマホを巡って、家庭が険悪なムードになるくらいなら、グッと我慢をした方がいいと思われる方も多いのが現状です。

主婦
主婦

スマホを与える前に、約束を決めるのが大事って言われるけれども、それも結局はうまくいかないのよね。

 

スマホの利用方法についてルールを決めてもうまくいかない理由

子どもがスマホをもつにあたって、事前に家族で約束を決めるようによく言われます。

例えば、

  • スマホを部屋にもって入らない。
  • 利用時間を決める(アプリで制限していても自分で守る)。
  • 無料アプリを勝手にダンロードしない。
  • スマホを使っていない時の置き場所を決める。など

ところが、いくらこんな約束を決めても結局は約束が守れないということがおきます

それには大きく2つの理由があります。

  • 約束が守れているかチェックする大人が大変。
  • 子どもは約束を破ってでもスマホで遊ぶ方が断然楽しい。

 

約束が守れているかチェックする大人が大変

スマホを使う時のルールを決めても、決めただけでは子どもはルールを守れません

大人の私たちも「さあ、今日からダイエットをしよう」と心に誓ったにも関わらず、自分で決めたルールでさえ、あっさり破ってしまいます。

「ルールを決めたのに守らない子どもが悪い」と言うのは簡単ですが、それだけを言い続けても何も変化は起きません。

大切なことは、

スマホを利用する時に、家族で決めたルールを守っているか毎日チェックすること

です。例えば、この様な感じです。

主婦
主婦

あら?スマホを使っていない時は、ここに置いておく約束だったのに、何で置いてないの? 今すぐ、とってきなさい。

主婦
主婦

なんで、アプリが増えているの?

勝手に入れないって約束でしょ。今すぐ消しなさい。

めちゃくちゃ手間がかかりますが、約束を守る習慣をつけるにはチェックが絶対に必要です

学校でも「宿題は必ず1時間目が始まる前に出すこと」とルールを決めるだけで、約束が守られるなんてことはまずありません。必ず、忘れてくる人・面倒だからやらない人が出てくるものです。

ですから、誰が宿題を提出したのか、質はどうだったか?というところまでチェックしているのです。

金田ママ
金田ママ

でもね、私だって忙しいのよ。

そんな細かいチェックなんてわざわざやってられないわよ。

 

スマホの使い方のルールが守れているかチェックできないのなら…

もし、スマホの使い方のルールが守れているかチェックできないのであれば、そもそも「ルールを定めないのが一番」です。

その理由は、

約束の価値が大きく下がってしまうため

です。

先に、宿題の提出について触れましたが、誰が提出し、誰が提出していないかというチェックがないのなら、提出率は確実に下がることは想像できるはずです。

つまり、約束の価値が大きく下がってしまうのです。

反対に、チェックを定期的に行えば、

マナブくん
マナブくん

うちのオカンが、スマホは1日に2時間以内と言い出したら、ヤバイわ。

絶対に、使用時間を確認してくるし、1秒でも超えたらアウトや。

という感覚になります。

ですから、もし、スマホの使い方で何らかのルールを設けるのであれば、どの様にチェックするか、大人も事前に考えておく必要があります

実は、立派な約束はたくさんあるけれども、全然チェックできていない学級・家庭というのが、意外と多いものです。

Shibuyan
Shibuyan

私の場合は、こんなチェックをするのはとても嫌なので、スマホを使用しないという環境を作りました。

 

【具体例】私が息子に対して行なったこと

私の息子も、残念ながらスマホに没頭していた時期があります。

ですから、

息子のスマホを解約

しました。

はなちゃん
はなちゃん

そんなのめっちゃ酷いじゃない。

友達関係なんかにも影響が出てくるでしょ。

いろいろな意見があるのは、十分承知していましたが、まずは、スマホがある生活→スマホがない生活にしないと、最終的に自己管理が難しいだろうと考えたためです。

先に結果を言えば、

一旦、スマホを解約した後、再度契約をしても自己管理はできている状態

が維持できています。

なぜ、強制的に解約したのか詳しく解説します。

 

スマホがなくても十分楽しめることを再確認する

現在(2022年)の中高生の世代は、小学校高学年にもなれば、スマホを持たせてもらったという人が多い世代です。

ですから、スマホがない生活なんて考えられないという感覚が根付いています。

この状態で、あれこれ制限を加えたところで、「我慢」と言う感覚がずっと付きまとうだけです。

そこで、

スマホがない生活を一度存分に楽しむ

ということを親子で挑戦してみました。

やってみると、たくさんの発見があり、こんなことを息子は言っていました。

  • 時間に余裕ができたから読みたかった本がゆっくり読めた。
  • もともと好きだった料理をまたやってみることができた。
  • 相当不便だろうなぁと思ったけれども、意外とそうでもなかった。

大人の私たちは、スマホがない時代も生きていたために、こんな感覚は持ち合わせていますが、現代の中高生は、スマホがない暮らしがイメージできません

ですから、スマホが無くてもなんとかなるという感覚が掴めたのは、大きな収穫でした。

 

強制的に解約をしても親子の関係が崩れる心配がなかった

ただ、強制的にスマホを解約するとなると、親子関係に歪みが生じることも考えられますが、私の場合は、あまり心配はありませんでした。

日頃から、

  • 夕食時には世界情勢について意見を交換。
  • 翌日の弁当の相談にのる。
  • 必ず筋トレを一緒にする(ジムに行く時間が短縮できた)

これだけのことは、ほぼ毎日していたので、私が「スマホを解約する」と言っても、「親父がまた変なことを思いつきやがった」という程度で済むだろうと思っていたのです。

実際は、もう少し抵抗がありましたが、「スマホなし生活を一度楽しもうか」という話をすることで、すぐにおさまりました。

 

大人の私自身もスマホを利用する時間は、必要最低限に。

もちろん、子どものスマホを解約するのに、私はたっぷりと楽しむということしません。

もともと、あまり利用していなかったのですが、基本的には「仕事以外には使用しない」ことを宣言し、チェックもどんどんすれば良いことも伝えました。

子どもにとって、少し厳しいことを求める時に、自分もあえて挑戦するというのは、なかなか面白いものです。

電車の窓から見える風景って、いいもんだなぁ…と改めて感じることができました。

 

スマホなし生活を1年もすれば、習慣化される。

息子はスマホなしの生活を1年以上行いました。

実際には多々不便なこともありましたが、その不便さは、スマホがある時と比べて…というレベルなので、大したことはありませんでした。

このスマホなし生活の1年間で、

スマホがなくてもなんとかなるものだ

と息子自身が感じられたことが、後のスマホがあっても自分で使い方を管理することに繋がったように思います。

現役の学級担任をしている頃、子ども達を宿泊野外学習に連れていきましたが、事前には、

はなちゃん
はなちゃん

マジでスマホをもって行ったらダメなの?

そんなの死んじゃうよ。

なんていう叫び声をたくさん聞いてきましたが、いざ、宿泊学習が始まると、誰もスマホを使いたいなんて言いません。

むしろ、

はなちゃん
はなちゃん

もう帰るの?

せめてあと1日くらいは宿泊させてよ。いいじゃん。

こんな子どもが圧倒的に多いのです。

スマホのことなんかすっかり忘れているようです。

ということは、思い切って一旦、環境を変えるというのは効果的だと言えそうですが、あとは、それを実行する大人の勇気の問題だと思うのです。

繰り返しになりますが、親子関係が良くないのに勇気を出すと大変なことになります。

不安な場合は、この機会に親子関係を見直してください。

 

まとめ

今回は、子どものスマホの使い方をテーマにしましたが、日々の暮らしの中では、様々な約束が存在します。

子どもがそんな約束をきちんと守れるようにするには、時には厳しいことも言わないといけないことが当然、出てきます。

それでも、

親子関係が崩れる心配がないという状態を日頃から作っておくこと

が最も大切です。

最近は、大人も子どもも非常に忙しい日々を送っているために、家族揃って夕飯を食べることすら困難になってきました。

だからと言って、何も工夫をしなければ、ますます親子関係が希薄になってしまいます。

ちょっと工夫をして、直接親子で話をする時間を設けることで、いろいろなことがスムーズになります。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

今は、酔っ払って帰宅した妻に高校生の長男は絡まれていますが、そんな風景を見るのも楽しいものです。

高校生の長男は辛いでしょうが。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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