なぜ、子どもがスマホ依存になるのか?【脳の仕組みから解説】

「継続は力なり」とか「成功するために必要なことは、成功するまで継続すること」なんて、よく言われます。

「そんな事は分かっている!」という声も聞こえてきますが、それでも決めたことを継続させるのは難しいものです。

ところが、子どもをはじめ、多くの人は、

ここ数年、スマホを使うことは欠かさず継続している

はずです。しかも、継続的にスマホを触ろうなんて意識もしていません。

なぜ、多くの人は、無意識にスマホを触ることは継続的にできているのでしょうか。

ということを考えてみましょう。

結 論

  • 楽しいこと・快楽を手に入れるまでのステップが極めて短い。
  • スマホには無限の可能性が秘められているから。

これらの意味が深く分かれば、

  • 子どもとスマホの関係も良好になる
  • 何か別のことをやろうと思った時に、継続させるヒントとなる

はずです。早速、本題に入ります。

 

目次

人は基本的に面倒くさがり【スマホはこの課題を乗り越えた!】

さぁ、そろそろ夏に向けてダイエットするぞ!今夜からジョギングだ!

と気合を入れたところで、ジョギングを一人で継続して取り組める人は、滅多にいません。私だって、そんなことできそうもありません。

なぜ、運動をした方がいいと分かっていながらできないのでしょう。

この問題について考えてみると、子どもがなぜ継続的にスマホを利用しているのかが見えてきます。

 

【分かりやすい事例】ジョギングをする前に挫折は訪れている

金田ママ
金田ママ

夏に向けてダイエットするよ。

甘いものは食べないようにして、ジョギングも始めるわ。

でも、今夜は出かけないといけない用事があるの。

着替えたり、シャワーを浴びるのが面倒だわ。

人は、何かに取り掛かろうとした時に、準備が多いとリスクを考え始めます。

  • わざわざ着替えてまでジョギングする意味があるの?
  • 今日くらいジョギングをしなくても、大きな問題にならないはず。

こうして、挫折が始まっていきます。

こうした発想は、現代社会では良くないとされますが、人間が生命を守るためには必要な発想だったのです。

この「やらない発想」と「生命を守ること」の関係は、兄弟喧嘩にうんざり?これを知れば兄弟の子育てが楽しめるの記事で解説しています。

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しかし、一旦、ジョギングを始めるとすぐには辞めない

ところが、面倒な取り掛かりの部分を乗り越えると、継続しやすくなります。

ジョギングをすることは、疲労を伴うが、100mだけ走って辞める人は滅多にいない

ということです。

金田ママ
金田ママ

100mだけ走って辞めるなんて考えられないよ。

せっかく走り始めたのだから、最低でも2000mくらいは走りたいわ。

 

この2つの性質がスマホには取り入れられている

つまり、人には次の様な性質があることが分かります。

  • 何かをやりはじめる時、準備は簡単な方がいい。あまりにも準備が大変だと、取り掛かるまでに時間を要し、その間にリスクを考え始めてしまう。
  • 一旦、行動を始めるとその行動を続けようとする性質がある。

一旦、行動を開始すると、そのまま継続させやすいという性質は、自転車の漕ぎ出しをイメージすると分かりやすいです。

この性質のことを専門的には「作業興奮」とも言います。

さて、ここで改めてスマホを見てみましょう。

スマホで誰かと連絡をとりたい・ゲームをしたい・写真を撮りたい…などと思っても、準備はほぼ必要ありません

起動時間すら不要なので、瞬時に目的に迫れる

また、一旦、スマホの世界に入ると、

次から次へと情報に触れることができ、変化のある映像を楽しめる

ために持続性が強くなります。

良くも悪くも、スマホは見事に私たちの特徴を活かしたものだということが分かります。

金田ママ
金田ママ

でも、なんで、一度スマホから離れてもついつい気になっちゃうの?

 

人はもしかしたら…という可能性が大好き【スマホには可能性がある】

門苦田さん
門苦田さん

俺、そう言えば、先月ラスベガスに行ったんだけど、その時、ちょっとだけカジノをしようと思って、やってみたら、数百万円も当たったんだ。

いろいろややこしそうだから誰にも言ったらダメだぞ。

あなたの知人がこんなことを言った翌月に、あなたは偶然、ラスベガスに仕事で行く事になりました。あなたはカジノをやりますか?

数学的には、カジノでも宝くじでも競馬でも、運営者に利益が残るように設計されていることは誰もが理解しています。

ところが、多くの人がギャンブル的なことを楽しむのも、

人は「もしかしたら…」という可能性があることが大好き

な生き物だからです。

  • もしかしたら、宝くじで人生が変わるかもしれない。
  • もしかしたら、投資で大金持ちになれるかもしれない。
  • もしかしたら、BlogやSNSを通して、大きな仕事が入ってくるかもしれない。

こうした期待をもつことは、決して悪いことではありません。

誰だって素晴らしいチャンスがあるのであれば、見逃したくはありません。

実際には、それほど大きな期待ではありませんが、

  • スマホゲームの「ガチャ」システム
  • SNSの「いいね」システム など…

は、見事に小さく期待させて、適度に期待に応えるということを実現させています。

金田ママ
金田ママ

わたしは日々のコーデをインスタに挙げているの。

さぁ、今日は何人の人がフォローしてくれて、どれだけ「いいね」がついたかしら?

こうしたちょっとした期待感にも、ボタンを2・3回タップするだけで答えてくれるために、スマホを利用するのは、継続しやすいのです。


ここでは、極めて簡単に人(脳)の性質に触れながら、子どもがスマホに依存してしまう仕組みを解説しました。

もう少し詳しく、子どもとスマホの関係を知るには、根気強くなるには意思や訓練が重要?脳内の仕組みを解説をお読みください。脳内の変化について触れながら解説しています。

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さらに、子どものメンタル的な側面から子どものスマホ依存・ゲーム依存については、不登校の子どもがゲームに逃げる本当の理由をお読みください。きっと意外な発見があるはずです。

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なお、子どもがスマホを使う場合、「約束を決めてもなかなか守れない」という声もたくさん聴きます。そんな時に、どの様に考えたのか、我が家の事例を子どもがスマホに依存して困ります【自己管理できる様にした具体策】で紹介しています。

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スマホを継続的に利用できるのなら、他のこともきっと夢中になれる!

ここで、スマホの利用が継続できるのなら、

その性質を使って、他のことも何か継続できるようにすることはできないか?

ということを考えてみました。

ポイントは次の通りです。

  • 準備が極めて簡単であること。
  • 小さくてもいいので、期待感がもて、期待に答えてくれること。

実際に、私が行ってどの様な状況になったか紹介します。

 

子どもが勉強しやすい環境を作ってみた

「子どもが全然勉強しない」という声は、担任をしている時にもたくさん聞いてきました。

ところが、スマホの特徴を踏まえると、

「疲れたぁ…」と学校から帰宅して座るところに本があれば良い。

ということになります。

ですから、リビングのダイニングテーブルでも勉強できるようにしました。

今は高校生ですが、結局リビングで勉強を始めると、全然自分の部屋に行かないので、この環境は良かったと思います。

新しいことを継続的に行うには、帰宅した直後にいつもどうしているか?を見直すことで、ヒントが見つかるはずです。

 

自重トレーニング(筋トレ)は継続することができている

適度に筋トレをしたいのですが、ジムに通おうとはなかなか思えないので、部活での体力向上を口実に、息子を誘って筋トレをしています。

本格的な器具などを使った筋トレは、どうしても準備が必要なので、何も準備の要らない自重トレーニングばかりをしています。

これは、パッと取り組めるので、無事に半年ほど毎日欠かさず継続することができています。

自重トレーニングは、CALISLIFE自重トレさんの動画を活用させて貰っています。

https://www.youtube.com/c/CALISLIFE/videos

 

なぜ、子どもがスマホ依存になるのか?のまとめ

人は一旦やりはじめたことは、継続的に行おうとします。

ただ、何かをやりはじめるには、意外と面倒くさがりなところがあるものです。

この性質をスマホはかなり上手に利用しているのです。

  • 利用はじめのハードルを極めて低くしている(起動時間・場所・コンパクト性など)
  • 利用しはじめると、次々と新しい刺激的なコンテンツに触れられる
  • スマホを通して、広い世界と繋がれる→大きな期待感

だから、「スマホを利用してはいけない!」ということではなく、こんな性質をもった道具であることを理解しておくことが大切なのです。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

刺激的なものって分かりやすいですが、侘び寂びの様に地味なものの良さに気付ける人でありたいなぁって思います。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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