子どもの地頭の良さは家の過ごし方で決まる!【遺伝より重要】

先日もある保護者と話をしていると、

うちの子の物覚えの悪さは、親の責任かもしれません。
私たち、夫婦ともに物覚えが悪いですから。

と言われていました。

この様に、子どもの頭の良さ・悪さは、遺伝的な要素があり、特に子どもの学力が思う様に定着しないと、親である自分の責任だと自分自身を責められるケースもあります。

身長や顔つきなどと同じ様に、能力も遺伝することは様々な研究で明らかになっています。

詳しくは、子どもの頭が悪いのは親の責任?【バカは遺伝するの?】で解説をしています。

ところが、

  • 特別賢い両親でも無いけれど、非常に賢い子どもがいる。
  • 反対に、両親ともに優秀なのに、子どもは目立って賢くない子どもがいる。

というもの事実です。この事実は、極めて稀ではありません

では、結局、親はどうしていけばいいのでしょうか。

学級担任として、様々な家庭と関わってきたことを踏まえながら詳しく解説します。

まずは、

親の「当たり前という常識感覚」が子どもに大きく影響する

ということを強く認識する必要があります。どういうことか、具体例を挙げながら解説します。

 

目次

「親の当たり前」は子どもに大きな影響を与える

親の「当たり前」が子どもに大きな影響を与えるといのは、簡単に言えば、

親が日本語を話していれば、子どもも自然と日本語を話すようになる。

こんなイメージです。

そんなの当たり前じゃないか?と言われそうですが、この視点は大切です。

もう一つ例を挙げてみます。

私たち、大人も子どもも当たり前の様に日々「お箸」を使って食事をしています。

小学校中学年にもなれば、お箸の使い方を改めて意識しながら食事をする子はいません。

無意識にお箸を動かして食事をしていますが、「お箸」を簡単に操れるという能力は、世界的にみると、貴重な存在です。

つまり、世界的な視点で見ると、

かなり高度なことを日本の子ども達は、全員が概ねマスターして日常生活ができる

ということです。

これは、日本に住んでいるみんなが、「お箸」を使って食事をするのが当たり前としているために、実現していることです。

つまり、

親の「当たり前」は、高度なこともマスターさせる素地となる

ということです。そのため、あなたの「当たり前」が変われば、子どもも大きく変化する可能性があるということです。

これまで、多くの保護者と接してきて、「当たり前」が分断されやすかった話題を例に挙げながらさらに深く考えていきましょう。

 

宿題や持ち物について質問がある時、誰が学校に電話をするのか?

はなちゃん
はなちゃん

お母さん!

円周率ってまだ習っていないけど、計算ドリルの宿題に出されているの。どうしたらいいと思う?

この様な時に、いろいろな対策が考えられます。

  1. 親が、まだ学習していないことを連絡帳に記入する。
  2. 親が、学校(担任)に電話をして確認する。
  3. 本人が、学校(担任)に電話をして確認する。など…

小学校5・6年生を担任していた時には、この様なことを学級懇談会の話題にしたものです。

他の学級の様子を見ても、この様な質問がある場合、圧倒的に「親が」が質問をされるケースが多いのが現状です。

ところが、本人が電話をして確認をしてくる場合、なぜ、本人に電話をさせたのか質問をしてみると、ほとんどがこう言われます。

主婦
主婦

もう5年生ですから、学校のことで分からないことがあったら自分で電話をするなり、夕方でも学校に行って自分で確認するのが当然でしょ。

私も子どもの頃、よく夕方の学校に行ったものよ。

 

子どもを塾や習い事に送迎するのか、しないのか?

金田ママ
金田ママ

塾への送迎ってホント大変なのよ。

帰りの会が長引くとか、子どもを勝手に残すとか辞めてね。

塾や習い事に送迎するか、しないかも、親の育った環境が影響しているようです。

もちろん、交通の便・距離・時間帯・治安状況…などを考慮する必要はありますが、そう言ったことを抜いて、次の様な質問をしました。

学校から帰ってくるのが夕方の5時。塾の授業が始まるのが6時30分です。塾までは約6km。自転車で行けば30分程度で到着できます。私鉄の駅も近くにあるので、電車で行くことも可能な場所です。
送迎をしますか?自力で通う様に言いますか?

これについても様々な意見が出ました。

  1. 疲れて帰ってきてからの塾だから送迎をするのが当然。
  2. 自分で行きたいと言い出した塾だから、自分で行くのが当然。
  3. できれば送迎してやりたいが、仕事上、無理だから自分で行くようにさせている。
  4. 雨天の時に限ってだけ、自転車は危ないから送迎をしている。

どの考え方も間違いではありませんが、こんな話をしていて驚かれたことがあります。

金田ママ
金田ママ

えっ、こんなところから、塾まで自転車で行かせている人がいたのね。

自転車で通っている子がいることは知っていたけれど、もっと近くにお住まいの子どもばかりだと思ってたわ。


ここでは、2つの事例を挙げました。

どちらも、親が手伝おうが、子ども自身で問題解決をしようが特に問題はありません。

けれども、どちらが子どもが大きく成長するかは、既にお分かりだと思います。

つまり、地頭の良い子どもに育てたいのであれば、

親が「子どもの為に〇〇をしてあげる」と頑張れば頑張るほど子どもの能力は下がり、子どもが敢えて苦労する様に仕向けることが大切。

ということです。

ただし、

「子どもに敢えて苦労させる」と言っても、その「苦労の程度」はあなたの常識・当たり前の感覚で決まっていることを知っておく必要があります。

ここで、もう少し詳しく、「苦労の程度」について考えてみましょう。

 

頭の良い子どもに育てる親は、苦労する姿を見る勇気が必要!

誰だって、人が苦労している様子を見るのは辛いものです。

増してや、自分の子どもが苦労・大変な思いをしているを見るのは、辛いものです。

ここで改めて考えるべきことは、何をもって苦労をしていると捉えるのか?ということです。

結論は、

自分が経験した苦労は、他人がしていても見ることができる

ということです。ここでも具体例を挙げてみます。

私は高校生の学習を教えることもあるし、私の息子も現在は高校生です。

私のところに相談に来る高校生は、「大学に行きたい」という人ばかりなので、最低でも毎日5時間くらいは勉強をする必要があると伝えています。

ところが、

  • 高校に通って、部活もして毎日5時間も勉強するなんて可哀想。
  • 5時間でもちょっと足りないくらいじゃないの?

という2つの見方が出てきます。

自分自身が、大学受験を真剣に考え、勉強をしてきた人からすれば、毎日5時間くらい勉強するのが当たり前で、子どもがその程度勉強をしていても、苦労しているとは思わないのです。

反対に、そこまでの経験がない人からすれば「一番楽しい時期にそこまで追い詰める必要があるの?」と感じる方が多いのです。

やっている行動は同じであっても、見ている人の「当たり前」で解釈が大きく変わるのです。

ちなみに、高校3年生になってから大学に進学することを決めて、部活動も行いながら勉強をした女子高生の暮らしは、受験勉強の開始はいつから?【遅すぎた高校生の返り咲き事例】で紹介しています。

金田ママ
金田ママ

だからと言って、今更、私自身が敢えて苦労するのはもう嫌。

ちょっとした言葉掛けの違いで子どもは自分で思考する!

また、言葉の使い方を少し変えるだけも子どもが思考するチャンスを作ることができます。

具体例を2つ紹介します。

ダラダラしていないで早くやることをやりなさい!と言う時

子どもの時間感覚は、大人の時間感覚と全く異なります。

やるべきことをやってからダラダラした方が気持ちがいいのに…なんて思うこともたくさんあるでしょう。

そんな時に、

さっさと〇〇をしなさい!でないと〇〇ができないでしょ!

と言いたくなると思いますが、これを次の様に変えるだけでも子どもは思考をします。

〇〇はいつする予定なの?

この時に注意したいのは、「ゲームが終わったら…」という様な表現ではなく「何時から」という風に明確に表現させるようにします

こうすることで、今楽しんでいることと、次にすべきことの両方が視野に入ってきます。

これらの表現も、あなたが子どもの頃に言われてきた言葉がついつい出てしまうものです。

些細なことに見えるかもしれませんが、こんな所でもあなたの「当たり前」が顔を出すのです。

 

問題があった時には、問題点を自分自身言葉で言わせる

子どもが生活する以上、大小関係なく様々な問題が起きます。

例えば、「学校に登校する準備ができていなくて、今朝は大騒ぎになった」ということがあったとしましょう。

そんなことがあると、

夜のうちに学校に行く準備をしておきなさい!

と言いたくなるものですが、これを言ってしまうと思考する余地がありません。

ですから、

朝、登校前にバタバタ大騒ぎしなくても良いようにするにはどうしたらいいの?

と質問をすればいいのです。

もちろん、質問をしたからと言って、大人が理想とする答えが返ってくるとは限りません。

はなちゃん
はなちゃん

朝、早く起きて準備するわ。

早起きなんかとは無縁の子でも、こう答えることはあります。

大人からすれば、またバタバタの朝を迎えることが目に見えていますが、それでもいいのです。

もう一度、失敗をすれば、また質問をすればいいだけです。

朝早く起きれなくて今朝もバタバタで大騒ぎだったけれど、どうしたらいいと思う?

問題が解決するまで、根気強く質問をしていきます。これには、公式の様なものがあり、

「問題となった事実」けれど、どうしたらいいと思う?

とすれば良いのです。

どうしても、質問に答えることが難しいようであれば、選択肢を準備します。

  • 夜のうちに学校に行く準備を済ませてしまう。
  • 絶対に朝早く起きられるようにうるさい目覚まし時計を少し離れたところに置く。

そして、選択が完了したら、その理由を聞いてみましょう。

これらのことをするのは、大人にとっても面倒なことですが、何度も繰り返すことで、生活をしながら様々なことを思考する様に必ず変化していきます。

実は、数々の地頭がいいなぁ…と感じる子どもの家庭を見ると、至るところで子どもが考えないといけない様な会話が見られました。

 

子どもは、考える機会が多くなればなるほど、様々な視点から物事を見るようになります。

【小学生のママへ】地頭がいい子どもの過ごし方【勉強時間は短くてOK】の記事も参考になるはずです。

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親の常識を崩して地頭の良い子どもに育てる方法のまとめ

便利になるということは素晴らしいことですが、別の言い方をすれば、「考えなくても良い」ということです。

ですから、

子どもには敢えて不便な状況を体験させる

ということが大切です。

例えば、電車に乗るときにも今では、

  • PiTaPa
  • Suica
  • ICOCA

などを利用すれば、パッと電車に乗ることが大変便利ですが、いつもこの様なシステムを使っている子ども達は、「路線図の見方が分からない」と言います。

これは、子ども達が悪いのではなく、見なくてもよい環境だったためだと考えていいでしょう。

こんなことを考えると、不便を体験することはこれからますます貴重になると思うのです。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

不便を経験した後に便利なものに触れることで、アイディアの大切さをしみじみと感じることができるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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