教員採用試験には一次試験・二次試験があります。
もちろん、本気で教師になろうと思う方であれば、
と考える方も多いと思います(この期間1〜2ヶ月くらいしかない)ですが、実際のところは、どうなのでしょうか。
私の場合は、
- 1度で教員採用試験に合格。
- 学校現場で若手の育成・大学生の教員採用試験のサポートなどに関わってきた。
- 個人として教員採用試験のサポートをし、全員が合格。
ですから、参考になる点が多いかと思います。
教員採用試験の二次試験の内容と重視されるポイント
教員採用試験の二次試験の内容は、自治体によって若干の違いはありますが、概ね次の通りです。
- 論文
- 面接(集団または個人)
- 模擬授業
- 実技
それぞれの項目に対して配点が決められていますが、最も配点が大きいのは当然、模擬授業です。
この時点で、
ことが大切です。私の場合は、
模擬授業 | すぐに仕事を行うことができるか |
面接・論文 | 考え方・何を重視する人か |
実技 | 差し支えないレベルでできるか |
という見方をしています。それぞれ詳しく解説します。
教員採用試験の模擬授業で重視されること
教員採用試験で模擬授業をする際に、
これはとても大切です。
模擬授業を採点するのは、主に人事課の方か校長先生が中心で、現場での教師経験がかなり豊かな方です。
現場で教師経験をたくさんすれば分かりますが、「良い授業だなぁ」と自分で思える授業なんて、10年経験しても、数える程しかありません。
つまり、
ということです。
ちょっと失礼な表現になりましたが、現実です。
だから、斬新・新鮮・凄いなぁと感じる授業を目指す必要はありません。
それよりも、4月から学級担任・教科担当として、それなりの授業ができるかどうか?というところが重視されるのが通常です。
具体的には、
- 楽しそうに授業をすることができているか。
- はっきりと、聞き取りやすく話すことができているか。
- 子どもの意見・考えを聞き、認める姿勢があるか。
この様な点が重視されますから、予想外の子どもの反応があったとしても焦る必要はありません。
例え、心の中で「その考え方間違っているじゃないか!」なんて思っても、
その考え方は、先生は思いつかなかったなぁ。
他の人は、どう思ったか考えを聞いてみようと思います。
こんな感じで、堂々と切り返すことができれば十分です。
模擬授業の時間は、10分程度ですから何か結論付ける必要もありません。
反対に、無理に何か結論付けようとして、子どもの意見・考えを捻じ曲げてしまう方が危険だということです。
教員採用試験での面接・論文で最も重要なこと
教員採用試験の面接・論文は、「どんな人かを判断する」ためのものです。
文章力は、ある程度、言いたいことが表現できればOKです。
それより重要なことは、公立小学校の教員採用試験に合格するために【試験対策以前が重要】の記事で詳しく触れていますが、
- 子どものことが大好き
- 子どもと一緒に学びたい
- 自分のこれまでの経験を教育現場で活かしたい
という人を「求めているわけではありません」ということを理解することです。
教員としての仕事ができる人を求めているということです。
具体的には、
- 大きな組織としての教育機関の一員であること。
- 国の教育方針を理解し、それを推し進める意思ががある人。
このことを、面接・論文で伝えることが最も重要です。
これは、一般企業で考えると分かりやすいです。
例えば、EV化に力を入れている自動車メーカーが、「EVは本当に環境に良いのだろうか?」という疑問をもっている人を採用するのか?ということです。
繰り返しになりますが、公立小学校の教員採用試験に合格するために【試験対策以前が重要】の記事はとても重要です。
教員採用試験の実技で重視されること
教員採用試験の実技は、自治体によって内容・有無も大きく異なります。
私の場合は、実技で「とびばこ運動・歌・ピアノ・水泳」を受験しましたが、どれも特別堪能だという訳ではありません。
歌やピアノについては、悲惨としか言いようがない状態でした。
もちろん、全てにおいて堪能であるに越したことはないのですが、次の視点で見ることが大切です。
とびばこ運動 | 安全に留意しながら運動できるか |
歌 | 楽しそうに歌うことができるか |
ピアノ | 弾ける人は完全有利 |
水泳 | 万が一の時に対応できる技能があるか |
要するに、指導者の視点が大切だということです。
例えば、とびばこ運動がとても得意であり、楽々と大技を決めることができる人であっても、ストレッチなどを一切せずに演技をすると、評価は低くなります。
こうした視点で実技を捉えることがとても大切です。
ここまでのことをまとめると、
- 模擬授業はとても重視されるが、授業の中身より雰囲気が重視される。
- 国や自治体が考える教育方針を理解し、賛同しているか。
- 組織を大切に行動する姿勢があるか。
- 子ども達の安全・楽しみを確保できる様に身体が使えるか。
ということになります。
個人の技能・知識・経験はとても大切ですが、一般的な試験と視点が少し違うということを感じられたでしょうか。
教員採用試験の二次試験対策の具体的な方法
では、具体的に教員採用試験の二次試験対策はいつからすればいいのでしょうか。
結論は、
です。
模擬授業の練習なんて、一人でできないじゃない!
確かに、模擬授業の練習や論文を書く練習をする時間を確保することは難しいです。
私の場合は、講師として現場で働きながらの受験だったために、勉強時間を捻出するのはかなり厳しい状態でした。
そこで、
- 日頃、話すときに少しゆっくり話すように意識する。
- 大きめの声ではっきりと、文末まで話す様に意識する。
- 教育に関するニュースに目を通す。
- 毎晩、ストレッチをする。
こんなことをしていました。
授業の展開・構成を考えるにしても、日常生活の中でたくさんのトレーニングする機会があります。詳しくは、【指導案作りは簡単】学習指導案の項目「単元について」の書き方で紹介していますので、参考にしてください。
これらのことは、どの立場の人であっても、今日・明日から実践できることです。
まずは3週間、これらのことを意識して生活をすると、「試験対策をしましたよ」という色が抜けてきます。
この上で、教員採用試験で文を書いたり、話をしたりすると、あなたらしさもしっかりと表現できる様になってきます。
なお、教員採用試験一次試験については、【独学可能】教員採用試験の1次試験をクリアする勉強法で詳しく解説していますので、参考にしてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
教員採用試験に限らず、一般的なコミュニケーションでも最も大切なのは、「滲み出る人柄」です。言葉以外の要素でも伝わることって、たくさんあるものです。
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