【改善策】子どもが「何度言っても答えの丸写しをする」時は?

マナブくん
マナブくん

マジで勉強を頑張らないとヤバイなぁ。

こう言いながらも、

いざ、勉強を始めると答えの丸写しをして、勉強した気分になっている。

こうした様子は、よく見聞きします。

小学生高学年以上であれば、答えの丸写しをしても意味がないことを知っているにも関わらず、どうして、こんなことをしてしまうのでしょうか。

この「丸写し問題」を解決するには、いろいろな解決方法がありますが、

結果を敢えて評価せず(間違っていてもOK)、考え方を評価する

という考え方がとても重要です。どういうことか詳しく解説し、より具体的な方法も紹介します。

金田ママ
金田ママ

間違っていてもOK??

そんなのダメでしょ。

目次

子どもが答えを丸写しする心理は「超合理的」

答えを丸写ししても全く意味がないことは、あなたが子どもだった頃も熟知していたはずです。

それでも、ほとんどの人が、「答えの丸写し経験」があるはずです。もちろん、私も相当な量を丸写ししてきました。

その時の心情を思い出してみましょう。

  • とにかく勉強(宿題)を終わらせて早く遊びたい。
  • こんなに面倒な勉強をするより、遊んでいた方が楽しい。

つまり、子どもの視点からみれば、

勉強や宿題なんて手間暇かかるだけで、全く面白味がない。

ということです。特に夏休みや冬休みなんかは、面倒な勉強や宿題をするより、遊びまくりたいですから。

ただ、ここで注目しておきたい点は、

遊びまくりたいのなら、「なぜ、勉強や宿題をしない」という選択をしないかの?

ということです。

すでに、お気付きでしょうが、勉強や宿題をやったということが評価されるからです。

マナブくん
マナブくん

学校や塾の先生だって、どうせ宿題をしたかどうかしか見ないやろ。

中身は大して見ていないんだから、答えだけ書いておけばいいって。

こうした考え方になっているのです。この考え方の良し悪しはさておき、子どもは「楽しく遊ぶためなら、合理的な考え方をする」ということが分かります。

 

結果だけの評価を辞め、過程を評価すると…【子どもは激変】

答えの丸写し問題は、「結果だけじゃなくて、考え方もちゃんと見ないとダメ」と子どもがサインを出しているのです。

私の場合は、学校の教師として多くの子どもと関っていたので、様々な評価の仕方を試すことができました。その結果、

やったか・やってないか?の評価を辞めて過程を評価すると子どもは激変する

ということが確認できました。当たり前と言えば、当たり前なのですが、具体例を挙げながら解説します。

実際に試した一つの事例を詳しく見ていきましょう。

小学5年生の子どもに毎日、日記を書く宿題を出した
これを、結果だけ評価した場合と、過程を評価した場合とで比較してみました。

結果だけを評価し続けると…

毎日、「日記を書く」という宿題の評価を、ノートに文章を書いたかどうか?だけで1ヶ月評価してみました。

結果は、

  • だんだん子ども達が書く文章量が減る
  • 一部の優等生的な子どもだけが、黙々と考えていること、出来事などを書く

という状態になってしまいました。

「自分の考えていることを文章に表現する」ことを目標とするなら、これではほとんど教育効果はなかったと言っていいでしょう。

むしろ、子どもからすれば、何でこんな面倒なことをしないといけないの?という状態ですから、マイナスの教育だったとも言えます。

 

過程を評価し続けると…

反対に、子ども達が書いた文章の中身に対して、私の意見も書くという評価の仕方を1ヶ月続けてみました。

そうすると、

  • 日記ノートを返却した途端に、ノート開けて私のコメントに目を通す。
  • 文章量が増えた。
  • 出来事だけを羅列するものから、思考を表現するものに変わっていった。

実は、学級崩壊をしてしまったクラスの後を担任された若手の先生にも、毎日、日記にコメントをつけて返却することを実践してもらったことがあります。

半年もすれば、クラスは見違えるほど激変したことは、想像できるのではないでしょうか。

ただし、実践する教師の方は、日々大変です。休み時間は皆無になり、全校集会などの時にもひたすら日記を読み、コメントを書く日々を送ることになります。

それでも、こうした経験をすると、過程を評価する機会がいかに重要かが見えてきます。

 

親が子どもと話をすることで、答えの丸写しは減少する。

子どもの答えの丸写しが気になる場合、親が子どもと話をするというのは、とても大切なことです。ただし、

金田ママ
金田ママ

マナブ!ちゃんと宿題やった?

マナブくん
マナブくん

ちゃんとやったに決まってるじゃん。

これは、話ではなく、お互いに連絡をしたというレベルであって、過程を一切見ていない状態。

ですから、

今日はどんな勉強をして、どう感じたのか?

を会話の中に盛り込むことができるようになると、答えの丸写しは減っていきます。

だからと言って、親が中高生レベルの学習内容を全て理解しておく必要は全くありません。

例えば、高校生が「連立方程式を勉強した」という話をしたのであれば…

  • 連立方程式って生活の中でも使えそうなの?
  • 連立ってどういう意味なの?
  • なんでそんな難しいそうなものを、昔の人は考えたの?

少しだけ、質問をしてみるだけでOKです。

中学生にもなると、こんな質問に「いちいち答えるのが面倒くさい」となりやすいので、本当は、小学生の段階で、こうしたやりとりを日常に取り入れておきたいものです。

重要なことは、「考え方」が気になっているということが伝わればOKで、明確に答えられなくてもOKです。

この会話にも慣れてくれば、小学生の日記と同じ様に、どんどん深い話ができるようになります。

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以上が「答えの丸写しを減らす」本質的な話ですが、もう少し、表面的な対策もあります。

 

【簡単に実践できる!】答えの丸写しを減らす簡単な方法

これまで、様々な学校や塾の子ども達の様子を見てきましたが、答えの丸写しの原因が、

膨大な宿題な量

ということもあります。

特に私立学校や学習塾は、実績を重視するために、子どもの学力・家庭環境を無視して膨大な量の課題を出す場合も見られます。

実際に私が見た例では、

  • 明日までに問題集を20ページやってきなさい。
  • 明日までに、このプリントをやって提出しなさい。(夜10時にタブレットに配信)

などと言ったことがありました。

これによる「答えの丸写し」は、仕方がないことだと思います。

 

宿題の量を減らす(写す場所・自分で考える場所を決める)

膨大な量の宿題があると、丁寧に取り組むのは困難です。

それでも、一生懸命にやろうとしている子どもの心情は、「宿題をやっていかないと叱られるから…」です。

この様な状態で、「学ぶことが好きになる」ことは到底考えられません。

ですから、私が直接関わっている子ども達には、この様な状態になれば、

  • 自力で頑張ってやる部分
  • 答えを写して、とりあえず「やりました」という形にする部分

に分けるように伝えています。

ベストな方法ではないかもしれませんが、全てを嫌々こなすより、一部でも前向きに取り組んだ方が、身になると実感しています。

嫌々、勉強しても大きな効果は期待できない理由は、【勉強好きになる方法】勉強をしたい大人が多い理由から考えるの記事を参考にしてください。

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日頃から宿題となりそうな場所を学習しておく

もう少し、計画的に学習できる子どもには、

宿題が出る前に宿題を済ます

様に伝えています。

これにより、突然の膨大な量の宿題に追われることはありませんから、少しずつ丁寧に学習をすることができます。

ただ、「前もってやっておきなさい」と言っただけでは、何も変わらないので、しばらくの期間、前もって宿題をやるのを確認する必要はあります。

これが親にとっては、手間なのですが、何度か「前もって宿題を済ませておく」ことを経験した子どもは、習慣化されやすいので、それまでは根気よく付き合う必要があります。

 

そもそも「答えを導くことだけ」が学習ではない

ここで、改めて考えてみたいことは、

問題の答えを書くことに大きな価値があるのか?

ということ。もちろん、高校入試・大学入試などでは、正しい答えを導くことが求められますが、こればかりに力点が置かれている様に思います。

世の中には、「答えのない問題」の方が圧倒的に多く、Aの考えも、Bの考えも「確かにそうだよなぁ」と思える感覚を育てることも重要なはずです。

ある中学生が、方程式の単元を含む期末テストで、方程式を使わず、問題を解いた結果、バツをされてしまいました。

担当の先生の意図は十分分かりますが、こういう時こそ、子どもの柔軟な考え方を伸ばす最高のチャンスじゃないかなぁって思います。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

  • 日本の人口減少は大きな課題ですが、どうすれば歯止めがかかるのか?
  • 人口が減少するとどんな問題点があるのか?

こんな問題に対しても、「真剣に考えられる子」を育てることが、私たち大人の課題だと思います。

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この記事を書いた人

公立小学校で15年勤務した後、退職。
現在は、アメリカ・香港・ペルー・インドネシアなどの小・中学生に日本の教育を届けている。日本の文化と住まい・暮らし方との関係を追求し、建材メーカーと共に日本の暮らしを研究している。
「なぜ、人は学ぶのか?」「学ばないといけないのか?」元教員の視点も交えつつ子育てに関する情報を発信している。

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