せっかく一生懸命勉強したのに、テストの結果がイマイチ。
なぜ、間違ってしまったのか、振り返ってみると
俺の英語のテスト60点だったけど、本当は88点くらいの実力やねん。
大文字と小文字の間違いと、スペルのミスだけやってん。
だから、俺の英語力は結構ついてきたってことやな。
なんてことがあります。
こうしたケアレスミスは、学生に限らず、大人もにもあることで、誰もが1つでも減らしたと思うものです。
では、どうすれば「分かっているのに間違えてしまう」というケアレスミスを減らせるのかを、教師として働いてきた私自身の経験も踏まえながら解説します。
分かっているのに間違えるというケアレスミスが起きる原因は?
私自身も経験がありますが、
という思い込みで、先ほどのマナブくんの様な気持ちでいる限りケアレスミスは、続くものです。
「大したミスではないし、本当はできる力があった」と肯定的に捉えることは、自信をもつという意味では良いことですが、このままではミスを減らす工夫を考えようとしません。
例えば、飲食店でオーダーの聞き間違えてしまうというミスもあります。
おいおい、俺が注文したのは、タンタン麺だぞ。
ワンタン麺なんかもって来るなよ。
おじさん、ごめんごめん。
ちょっと聞き間違えただけよ。
ちゃんと聞こうと思ったら、いつでもちゃんとできるわ。
こんな感覚でいる以上、また同じ様なミスが起きるだろうということは、誰でも容易に想像することができるはずです。
以上がケアレスミスが減らない最も大きな原因ですが、テストの場面では、他にも
- 何らかの理由で集中できなかった。
- 時間が足りないと感じて焦った。
などの要因でケアレスミスが多発してしまうということが多々あります。
もう少し詳しく見ていきましょう。
ケアレスミスが多い子どもに共通する点とは?
学級担任として、子ども達のテストの採点をしていると、「丸つけって楽しいそう。ある意味ストレス発散やなぁ。✔︎ってしたら気持ちいいんじゃない?」なんて、言われますが、そんなことは一切ありません。
大きな間違いの時は、仕方ありませんが、ケアレスミスの場合、「なんで間違えるねん!」という気持ちになるのが正直なところです。
そんなことを思いながら、嫌という程、採点してきた結果から見えてきたケアレスミスが多い子どもの共通点の一部を紹介します。
筆圧が弱い
ケアレスミスが多い子どもは、全体的に筆圧が弱い傾向が強いです。
筆圧が弱いと、フニャフニャした文字になり、自分で書いた文字を読み間違えるためにケアレスミスが多くなるとも言われますが、私は、筆圧と集中力には深い関係があると考えています。
ここでは直感的な話になりますが、例えば、サッカーが大好きな子は、上手・下手に関わらず、ボールを強く蹴ったり、弱く蹴ったりします。
反対に、サッカーなんて興味ないという子は、ボールすらあまり見ず、ボールが来てもしっかりと蹴ろうとはしません。
机上の勉強でもこの様なことが起きているために、
ということが起きていると考えています。
子どもの筆圧を強くするために、あるものを使って見るとこどもはノリノリで力強く文字を書く練習をします。詳しくは、テストのケアレスミスが治らない?【意外な方法で激減した事例】を参考にしてください。
途中式・図解など考える過程を書かない(メモが極めて少ない)
ケアレスミスが多い子どものほとんどに共通しているのが、
ということです。
算数・数学が最も分かりやすい例になりますが
この様な考え方や途中式がかなり省略されていることが多いのです。
多くのことを頭の中で処理をするために、少し複雑になるとミスが発生してしまうということがおきています。
でも、途中式とか図を描いたところで、点数に入らないじゃん。
それなら描くだけ無駄よ。描くのも面倒くさいし。
はなちゃんの様に考えている子が多いのも現状です。
これは、思考過程をあまり評価して来なかった大人への課題だと思っています。
時間を必要以上に気にしている
テストの残り時間はあと10分です。
誰でもテスト中にこう言われると焦りを感じるものです。
特に、時間配分を考えずに片っ端から問題を解き始めたという時に、残りの問題数が多いとかなり焦ってしまいます。
そうなると、「とりあえずできそうな所だけでもパッとやってしまおう!」となり、問題文も落ち着いて読めなくなってしまいます。
その結果、「できそうな所」なのに間違えてしまったということが起きます。
自分の部屋・教室の机の中・ロッカーなどが汚い
最後に、ケアレスミスが多い子どもや、学習内容が複雑になると分かっているけど思考が整理できずに、諦めてしまう子どもに最も共通しているのが、
- 自分の部屋・教室の机の中・ロッカーなどが汚い
- ものが多い
ということです。
なかには、「整理整頓が苦手で、机はぐちゃぐちゃなのにケアレスミスが少ない子どももいるし、仕事だってバリバリできる大人もいるじゃないか?」と言われる方もいます。
いちいち片付けろってうるさいんだよね。
ひろしのロッカーや机の中って、信じられないくらいグチャグチャだけど、テストで、ひろしは、くだらないミスをしないぜ。
確かにひろしくんの様な人もいることは確かですが、稀なケースです。
人はもともと、外的から身を守るために「周囲にも注意する性質(悪く言えば注意散漫になりがち)」をもっています。
その為、ものが多く、気になる対象物が増えるほど集中しにくくなることは明らかで、この性質は、店内の内装などにも活かされているほどです。
ちょっとした音でも集中力が落ちてしまうこともあります。
音楽を聴きながらの勉強ってどう?【オススメしない理由】の記事では、最近の研究結果・人類の歴史を振り返りながら、音と集中力の関係をまとめています。
ケアレスミスの原因が分かったら、何か対策ができそうね。
今からでもすぐにできる!ケアレスミスを撲滅する方法
ここまで見てみると、今すぐにからでもケアレスミスを減らすためにできることがいくつかあることがわかります。
また、あわせて1年くらいかけて意識し続けたいことも紹介します。
ケアレスミスを減らすのに今すぐにでもできること
次の2つは今すぐにでも取り組めそうなことです。
- 机・部屋をすっきりさせる
- 時間配分を意識した生活に変える
とにかく今から物を減らし、整理整頓をしよう
ものを減らし、机上や部屋をすっきりさせることは、誰でも取り組めます。
よくあるのが、学校で配られた学習プリントやドリルなどの冊子も「後で見るかもしれないから…」という理由で、残しているというものです。
大抵の場合、後で見ることはありません。
また、1年以上使っていないものは、使う可能性が極めて低いので捨ててしまって問題ありません。
以前、一緒に仕事をさせてもらった、優秀な校長先生はこう言われていました。
こちらは、私の部屋ですが、大したものは何もないので、仕事にガッツリと集中できます。
まずは、ものを減らして、集中するという感覚を呼び戻すことが大切です。
時間配分を意識した生活に変えるとは?
実は、子どもの生活のほとんどは、
のです。
具体的には、登下校の時間・授業の開始・終わりのチャイム、また、習い事・学習塾などに多くの時間を費やしている子どもほど、多くの時間が管理されているので、自分で時間の使い方を考える機会がどうしても少なくなってしまいます。
ですから、テストをよりよい結果で終わらせるために、テストの時間配分を練習するということが行われます。
ただ、せっかくこうした練習をするのであれば、子どもの生活自体に時間配分を考える要素を取り入れたいと思うのです。
例えば、休日の午前10時〜午後6時まで、子どもが自由に過ごせる時間があれば、この間に、
- 洗濯物を取り入れてたたむ
- 夜ご飯用のご飯を炊飯器にセットしてタイマーを入れる
- 明日の学校の準備をする
この3つをやっておく様にお願いをしておきます。
こうしたことを繰り返すことで、子どもは休日全体の予定を見渡すようになってきます。
ところが、
洗濯物今から入れて!
学校の準備はもう終わってるの?
まだでしょ。今すぐにやりなさい!
ついつい、「今どうする?」という視点で声を掛けがちになりますから、注意したいものです。
これができる様になってくると、テストの時間配分の話も深く理解できる様になります。
小学生の子どもでも、これくらいの手伝いは、まとまった時間がなくても十分行うことができます。詳しくは、仕事と子育てを両立させるコツ【親が頑張らないこと】の記事で、我が家の事例も紹介しています。
ケアレスミスを防ぐために少し長い目で取り組むこと
ケアレスミスを減らすだけではなく、思考過程を整理したり、思考力を深めるには、
が必須です。
最近、子ども達は、スマホやタブレットで遊び、絵を描くこともタブレットで行うようになってきました。
もちろん、学習環境もこの波に乗り、タブレット・ノートパソコンを活用した授業が行われるようになりました。
ノートさえもタブレットやパソコン上で作成して提出するということも、行われるケースも見られるようになりました。
そうなると、「文字を手書きすることは面倒」と思う様になる子どもが増えて当然です。
私たち大人も、手書きのはがきを出す機会が激減しているのがその証拠です。
ところが、頭の中だけで思考を巡らせて解決できる問題は、極めて少なく、学問のレベルが高くなればなるほど、思考を整理しながら書くということは、重要になってくることは明らかです。
こんなことを考えると、
はこれからますます必要になってくるはずです。
時々、子どもの頃から、タブレットやパソコンに触れることで、操作が上手になったり、タイピングが上手になるから、将来役立つという方もいらっしゃいますが、電子機器を扱う技能の方は、放っておいても子ども達は、どんどん身につけていくものです。
人類の歴史を見ても、そのほとんどは、アナログ的(手書き・手作業)によって思考を深めてきたことは確かです。
そうしたことも踏まえると、子どもの基礎的な学びについては、アナログ的に進めていくのが自然だと思うのは私だけでしょうか。
アナログ的な部分を増やしたいtけれども、子どもがスマホばかりを触っていて…という方は、子どもがスマホに依存して困ります【自己管理できる様にした具体策】の記事も参考にしてください。
本日も最後までおよみいただきありがとうございます。
ボタンをポンっと押して「あ」という文字が表示されるのもいいですが、意外とわざわざ手書きするというのもいいものです。
今は、滅多に出会えなくなりましたが、木でできた黒板に文字を書いた時の音と感触も大好きです。
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